ガリレイ変換(Galileian transform) 静止系Kとそれに対して速度vで動いてる系K'。どちらでも時刻tは同じ であろう。そして、Kで速度uで動く物体をK'から見た時u' = u-v
であるだろう、という目論見から次の関係を得る。 即ち、K(t,x,y,z)とK(t',x',y',z')について t' = t x' = x-vxt y' = y-vyt z' = z-vzt
これをガリレイ変換という。 Michelson-Morleyの実験と光速不変の原理 Maxwell方程式(1861)は電磁波が波であることを示唆する。 その27年後、Herzにより電磁波が発見された。波は媒質を伝播 するものであるから電磁波の媒質"ether"が仮定された。 これを受けてなされたのがMichelson-Morleyの実験(1887)である。 詳細は略(wikipedia:マイケルソン・モーリーの実験) とにかく、エーテルが地球に吹いているなら、(1/10)λの位相変化が 見れるハズであり、彼らの実験精度では0.03λの位相変化まで観測 できるはずだ。なのに観測できなかった。現在ではレーダー実験により 10-7λの精度で観測できる。でも位相変化は見られなかった。 →光はどの系でも速度が同じなら位相は変化しないだろう。 ローレンツ変換(Lorentz transformation)導出の指導原理
物体の同じ運動はどの系で見ても同じように運動式で表せる為に ローレンツ変換は線形(らしいよ)。 ローレンツ変換を表す行列をLとして- 相対性原理
- 光速不変の原理
- v<<cの時にガリレイ変換と一致すること
[ct';x';y';z'] = L[ct;x;y;z]
静止系K、それに対してx方向にvで動くK'。 x方向に関するだけのローレンツ変換Lxを求める。ct' = a00ct + a01x ---(i) x' = a10ct + a11x ---(ii) y'=y z'=z
y,zは変化しないはず。上2つの式は線形だから。Lxt = [a00,a01; a10,a11] として Lx = [Lxt,O; O,E]
点OをKとK'で表すとx=0, x'=-vt
これを代入すると(i)⇒ct'=a00ct (ii)⇒-vt'=a10ct
これよりa10/a00 = -v/c
を得る。 点O'をKとK'で表すとx=vt, x'=0
これを(i)に代入したら0=a10ct+a11vt ∴a10/a11 = -v/c
この二つの結果からa00=a11 (=γとする)
またv/cという量は頻繁に現れるのでv/c = β
とする。 次に光速不変の原理を使う。 t=t'=0で原点からx方向に光を放つ。光の座標はx=ct, x'=ct'
これを(i)に代入するとct'=a00ct+a01ct ct'=a10ct+a11+ct
a00=a11=γ
を代入するとa10=a01=-βγ
を得る。 (i)(ii)に代入して[ct';x'] = [γ,-γβ; -γβ, γ][ct;x] ⇔ [ct;x] = 1/{γ2-γ2β2} [γ,γβ; γβ,γ][ct';x']
次はK'を静止系と考える。即ちKがK'から見て-vで運動している。物体の運動に ついてはさっきと同じだ。だから運動方程式は同じになるはず。でもβは-β になるだろう。vが-vになるから。 よって[ct;x] = [γ,γβ; γβ,γ][ct';x']となる。 さっきの関係式と一致するはずだからγ2-γ2β2 = 1 ∴γ=±1/√(1-β2)
v<<c の時、つまりβ→0の時を考えるとγ→1にならないといけないからγ=1/√(1-β2)
に決まる。 よって[ct';x';y';z'] = [[γ,-γβ;-γβ,γ],O;O,E][ct;x;y;z] γ=1/√(1-β2), β=v/c
10/24 Minkawsky空間 Galilei変換において時間と空間は独立のものだが、Lorentz変換においては 時間と空間は一体である。世界点(world point)… 4次元時空の1点 事象(event)… ある世界点での出来事 世界線(world line)… 4次元時空での質点の運動
二つの点(ct1, x1)と(ct2, x2)の間の(長さ)2を持つ量をs12 = (ct1-ct2)2 - (x1-x2)2
とする。 原点と点(ct, x)のキョリを世界間隔(世界長)といい、s2 = (ct)2 - x2
である。(世界間隔)2 s2 < 0 ⇒ 空間的領域 s2 = 0 ⇒ 光円錐 s2 > 0 ⇒ 時間的領域
と、時空を光円錐によって二つに分ける。 世界間隔はローレンツ変換によって不変である。L: s2 = (ct)2 - x2 → (γct-γβx)2 - (-γβct+γx)2 = γ2(1-β2)(ct)2 + γ2(β2-1)x2 = (ct)2 - x2
β = v/c = tanh(ξ) = [exp(ξ)-exp(-ξ)]/[exp(ξ)+exp(-ξ)] とすると γ = (1-β2)-1/2 = cosh(ξ) γβ = sinh(ξ)
Lorentz変換は一般には不可換である。 Lx(β) = [[γ, -γβ; -γβ, γ], O; O, E] Lz(β) = [γ,0,0,-γβ;O;O;-γβ,0,0,γ] Lx・Lz ≠ Lz・Lx ただし同じ軸上だけでのローレンツ変換は可換である。 Lx(β1)Lx(β2) = Lx(β2)Lx(β1) a00 = Lの00成分。 det(L)=1, a00>0 ⇒ 正規ローレンツ変換 a00>0なのにdet(L)=-1 ⇒ 空間が反転してる a00<0 ⇒ 時間が反転してる かつ、det(L)=-1 ⇒ 空間「も」反転してる 速度合成 微小変化cdt = γcdt' + γβdx' dx = γβcdt' + γdx' dy = dy' dz = dz'
を考えるとux = dx/dt = γ(βcdt'+dx')/{(1/c)γ(cdt'+βdx')} = … = (γ+ux') / (1+γux'/c2) uy = dy/dt = uy' / (γ(1+β/c2 ux')) v<<c, |u|<<c とすると、β→0, γ→1 になって ux→v-ux', uy=uy'
ローレンツ短縮(収縮)ct' = γct-βγx x' = -βγct+γx
ct'-x'グラフで ct'軸は、x'=0として ct=(1/β)x x'軸は、ct'=0として、ct=βx K'で同時刻t'の点はKではどう見えるか。ct' = γct-βγx ⇔ ct = βx-γ-1ct'
K'で同じ位置x'にある点はKではどう見えるか。x' = -βγct+γx ⇔ ct = β-1x-(γβ)-1x'
K'でx'∈[x', x'+h']に置かれた長さh'の物体をKからはどう見えるか。 点x'と点(x'+h')がどの位置に見えるかを考えるわけだが、それはct'にも 依存する。ct'を先に決めないといけない。 Kで二点を見るのは同時刻ctであるとしてよいだろう。ct = γct'+βγx'
より点x'を見る時刻はKではctだがK'では時刻はct' = (ct-βγx')/γ
であって、点(x'+h')を見るのはct = γct'+βγ(x'+h')
より、K'での時刻はct' = (ct-βγx'-βγh')/γ
である。 K'での時刻を求めたのでコレを使って、x'をKで見た時の位置xが計算できる。x = βγct'+γx' = β(ct-βγx')+γx' (x+h) = βγct'+γ(x'+h') = β(ct-βγx'-βγh')+γx'+γh'
この二つの差をとってh = γ(1-β2)h' = √(1-β2) h' < h'
K'で静止している物体を観測すると実際より短縮して見える。 粒子の寿命の延び 静止した粒子の崩壊確率 P(t) = (1/τ)exp(-t/τ) 崩壊する時刻の期待値 <t> = ∫0∞ tP(t) dt = τ 崩壊して残ってる数 N(t) = N0exp(-t/τ) Kで粒子が速度v=cβで飛んでいるとする。 粒子の系をK'とする。K'では粒子の座標は(t',0)。 [ct; x] = L[ct'; 0] = [γct'; γβct'] ∴ct < ct' Kで見ると寿命が延びてる。 時間のパラドクス a point is running at v on K. the point has a clock(C'). K' is the system of the point. on a time, the point is on P. P is (ct,x=vt) on K. also be (ct', 0) on K'. now, from A on K(ct,0), watch the clock,C'on P. C' shows ct'. To A, C' must be ct. Such that AP // x-axis. Lorentz transform says that ct' = γct-βγx; //x=vt; = cγ(1-β2)t = c*sqrt(1-β2)t < ct so ct' < ct. then, from the point on P, watch the clock(C) on x=0 on K. C shows ct. To P, C must be ct'. C is on B. Such that BP // x'-axis. Lorentz trans says that ct = γct'+γβx' x(=0) = γx'+γβct' so ct = sqrt(1-β2)ct' < ct' finally ct < ct' this is not paradoxy. because, first t is on A. second t is on B. this shows just that tB ≤ t' ≤ tA Moving each object watch the time of other lately. Twin's Paradox On ct-x plane on K. a man run from O(0, 0) to P(ctp, xp) at v (on K') then accel and run from P to Q(ctq, xq=0) at -v (on K"). another man run from O(0, 0) to Q; when the two meet on Q, the two's clock meet? γ = 1/sqrt(1-β2); β = v/c on K' ct' = γct-γβx x' = -γβct+γx on K" ct" = γct+γβx x" = γβct+γx on P, the man's time is τ τ = sqrt(1-β2)t (from that "Time's Paradox") consider the line to show same time on K and on K'. such, the lines to be // x'-axis. (直線の並行関係) AP // x'-axis. A is on ct-axis. BP // x"-axis. B is on ct-axis. between A and B has space. But it cause no problem. because no energy has drawn. if the man accel smoothly at P, The Space do not exit. 特殊相対論と因果律 1. shoot a gun at O(0,0) 2. a man shooted by 1 at P(ctp. xp). 3. shoot a gun at Q(ctq, xq). ctq is greater than 0 and is never by 1. Considering the time order, Lorentz transform save the relation, 1⇒2? And 1 not⇒3? on K, P is (ctp, xp) then ctp > xp. And any Lorentz transform P→P(ctp', xp') save ctp' > xp'. So on time-oder, 1⇒2. But ctq can ctq' < 0 by a Lorentz transform... 相対論の数学的整備 (ct,x,y,z) is written as (x0,x1,x2,x3). such element is xμ(μ=0,1,2,3). the length of worlds2 = (x0)2-(x1)2-(x2)2-(x3)2 = ∑μ∑ν gμν xμxν
now g is in Matrix(4*4)g = [(1,0,0,0); (0,-1,0,0); (0,0,-1,0); (0,0,0,-1)]
アインシュタインの省略 添字がsupとsubに同じのがセットになっていたら、自動的に和をとる(その添字についてΣを頭に置いて考える) 即ち、gμνxμxν is ∑μ=03 ∑ν=03 gμν xμxν
ローレンツ変換における世界長の不変性の表す式gμνxμxν = gμνx'μx'ν
Lorentz transformx'μ = Lμνxν Lμν = [[γ, -βγ ; -βγ, γ],0 ; 0,E] x'μ = ∂x'μ/∂xν xν so Lμν = ∂x'μ / ∂xν
(∂/∂xν) を ∂ν と表記する。 (∂νx'μ)xμ と書いてもEinsteinの省略を適用してμについて和をとる。 ローレンツスカラー x = [x0; x1; x2; x3] をスカラー量に写す関数φ(x)で、 ローレンツ変換に依ってxがx'になった時、φ(x) = φ(x')
となるもの。例えば{xの世界長}を返すようなφ(x)はローレンツスカラーである。 反変ベクトル (contravariant vector) 座標xνがローレンツ変換を受けるのと同じようにU'μ(x) = Lμν Uν(x)
となるベクトルU(x)。 共変ベクトル (covariant vector) スカラーφのgrad vectorと同じようにローレンツ変換を受けてV'ν(x) = ∂'νφ'(x') = ∂'νxμ ∂μφ(x) = ∂'νxμ Vμ(x) = (L-1)μν Vμ(x)
反変テンソル 二つの反変ベクトルの積と同じローレンツ変換を受ける。Tμν(x) = Aμ(x) Bν(x) = [(A0B0, ,, );;; (A3B0,, A3B3)] に対して T'μν(x) = (∂σx'μ)(∂ρx'ν)Tσρ(x)
混合テンソルT'μν = (∂'νxσ)(∂'νxρ)Tσρ(x)
質点の四元速度、四元運動 三元速度とはvi = dxi/dt = [c・dt/dx0; c・dx/dx0;;] (i=1,2,3)
v = [v1; v2; v3] でK系上を運動する粒子 のその静止系K'での固有時をτとする。 反変ベクトルとして振る舞う速度を定義する。 次の微少量を考える。 K'の静止した点O'の移動における世界長はds2 = (c・dτ)2
これをKから見るとds2 = (c・dt)2 - dx2 - dy2 - dz2
二つのdsは一致するはずで(!)、変形するとdτ2 = dt2 - c-2(dx2+dy2+dz2) = dt2(1-v2/c2) 故に dτ = sqrt(1-β2)dt
また、この結果よりdt/dτ = γ
が分かる。このγを「ガンマエフェクト」と呼ぶ。 四元速度u = [u0; u1;;] = [dx0/dτ; dx1/dτ;;] = [c・dt/dτ; dx/dτ; dy/dτ; dz/dτ]
/* 四元ベクトルと三元ベクトルで記号が時々入り混じるので、ここからは 三元ベクトルには上に矢印を付けてv→
と書き、四元ベクトルは単にv
と書くことにする。これ以降は。 あとローレンツ展開は今だにx方向にしか使ってない。一般の形は計算も 面倒だし、問題を解く時には都合のいいように速度v→をx軸方向に 取ったりする。だから速度とか運動量もこれからは単にx成分しか無い ベクトルのように書いたりするかもしれない。単に私がラクをしたいだけ だけど。 */u2 = gμν uμuν = (c・dt/dτ)2 - (dx/dτ)2 = [(c・dt)2-dx2]/dτ2 = (ds)2/(dτ)2 = c2
四元速度の大きさは一定である。 また、ガンマエフェクトを用いるとuμ = dxμ/dτ = (dt/dτ)・(dxμ/dt) = γvμ //vは三元速度 = cγβμ
但しβはv/cという三元ベクトルであり、βi = vi/c
である。
11/7 質点の四元運動量 静止質量をmとする質点の運動量をp = mu
という四元ベクトルで定義する。p0 = mc・dt/dτ = mcγ p1 = m・dx/dτ = mcγβ1
p2 = (p0)2 - (p1)2 = m2c2γ2 - m2c2γ2(β1)2 = m2c2 > 0 cp0の物理的意味 非相対論の立場における物理的な意味を考える。cp0 = mc2γ = mc2/sqrt(1-β2) ~ mc2 + (1/2)mc2β2 + (3/8)mc2c2β4 + … (abs(β)<<1 であるとし、β~0の周りでテイラー展開した)
さて(cp0-mc2)~(1/2)mc2β2 = (1/2)mv2
これはニュートン力学で言う運動エネルギである。 mc2をp=0の時のエネルギなので静止エネルギという。 粒子のエネルギをE = cp0
で定義する。p = [p0; p1] = [E/c; px]
pxは三次元でいう運動量でp→ = [px; py; pz}
である。 質点の運動方程式 ニュートン方程式はxi(t) vi(t) = dxi/dt, m・d2xi/dt2 = fi (i=1,2,3)
としてtを絶対的なものとして扱う。 Lorentz変換に対して共変(grad的な)運動方程式はxμ(t) dpμ/dτ = fμ
外力fを四元ベクトルで表す。 f=0ならば、外力が働いてなく、エネルギと運動量の保存を表す。 相対論的運動学 (Relativistic Kinematics)ℏ = h/(2π) = 1. c = 1.
とする単位系を「自然単位」といい以降これを用いる。 ℏ及び光速は無次元であり、故にE, p, m, ωは∀同じ次元となる。 またエネルギの単位には[eV](電子ボルト, electron volt) を用いる。 1[eV]は-1Vの電位の極板にある電子1e-の持つポテンシャルに等しい。 1[eV] = 1.6e-19[C]・1[V] = 1.6e-19[J] ℏcはSI単位系ではエネルギ掛ける長さの次元でℏc = 197[MeV・fm] = 2e-7[eVm] 自然単位を導入すると [m] = ℏc/[Energy] = 1/[eV] 面積[m2]は[(eV)-2]の次元。
ああ、あと「p0 = E」、「u2 = 1」などになる。以降注意すること。 四元運動量のローレンツ変換 四元運動量は四元速度の静止質量倍だから、反変ベクトルであり、 座標をローレンツ変換するのと同様にローレンツ変換行列を掛けてやればよいのだ。 K系の上をvで走る粒子があって、粒子にとっての静止系K'では粒子の運動量はp' = [m; 0]
これにローレンツ(逆)変換を施すとp = [E;px] = L(-v)・p' = [γ,γβ; γβ,γ][m;0] = [mγ; mγβ]
故にKから見た粒子のエネルギ、三元運動量はE = p0 = mγ p→= mγβ
故に、γ = E/m, β = p→/E
βはいちいち書かないけど三元ベクトルである。p = mu より、p2 = m2u2 = m2 p = [E; p→] より p2 = E2-p→2
この二つからE = sqrt(p2+m2)
|p| &lr;&lr; |m| として|p/m|~0の周りでテイラー展開してE = m + (1/2)p2/m + …
mが静止エネルギでp2/(2m)が運動エネルギ。 光速で走る粒子すなわち光子を考える。p→= mγβ = mβ/sqrt(1-β2)
速度vを1にするとは、0から1-0に近づける極限を考えてβ = v/c → [1; 0; 0] γ = 1/sqrt(1-β2) → +∞
この時m = E/γ → +0 p→= Eβ → [E ;0]
また、ド・ブロイによれば 光子は、p = h/λ = hν/c = E/c p = hν/c = (ℏ/c)ω
である。 自然単位を導入するとE = p = ω
となる。 重心系 (CMS, Center of Momentum System) 系にNコの粒子がある。それぞれのデータは{質量:mi; 運動量:pi→}。 各々のエネルギは Ei=sqrt(mi2+pi2) と決まる。 全エネルギ: E = ΣEi 全運動量: P→= Σpi→ あるローレンツ変換を施すことによってL: P→→ P*→= 0
とすることができ、このローレンツ変換された座標系を重心系、CMSという。 // CMSでのエネルギ、運動量などは右肩に*を載せた変数を用いる P→向きにx軸にとったK系で[E;P→]で粒子が走ってるとする。 エネルギ二乗はローレンツ変換に依って不変でありs = E2 - P→2 = E*2 - P*→2 = E*2 故に E* = sqrt(s)
(E,P→)→(E*, P*→)と変換するローレンツ変換を考える。[E*; P*→] = [γ, -γβ; -γβ, γ][E; P→]
今、[E*; P*→] = [√s; 0]だからβ = P→/E γ = E/√s
と同じような結果が求まる。でも二つ目は有用だ。 相互衝突型加速器(Collider) 従来の標的実験では、静止質量mの粒子を[E;P]で静止した質量mの粒子に 衝突させる。この衝突の際のエネルギ二乗を求める。単純に二つの持つ エネルギを合計するだけでs1 = (E+m)2 - (P→-0)2 = E2-P→2+2mE+m2 = 2m(E+m) (∵m2=E2-P→2) 故に√s1 ~ sqrt(2mE)
現在行われる標的実験は相互衝突で、次のようである。 二つの静止質量mの粒子を(E/2, P→)、(E/2, -P→)で走らせて 衝突させる。s2 = (E/2 + E/2)2 - (P→- P→)2 = E2 故に√s2 ~ E
と、従来のより効率が良い。 つまり、さっきのだと消費するエネルギを10倍にしても3.1倍程度しか衝突 エネルギは増えないが、こちらはエネルギを10倍にすると衝突エネルギも 10倍になる。 CERNの持ってるLHC(Large Hadron Collider)では√s=1.4e12[eV]だった。 今は長さが半分になって0.7[TeV]だけど。で、陽子どうしを相互衝突させてる。 従来の方で衝突エネルギ1.4e12[eV]を再現するには、E1 = s2/2m = 1.0e5[TeV]
新しい方だと14[TeV]で済む。 粒子の衝突、散乱 二つの粒子a,bが衝突して、二つの粒子c,dになったとする。 四元運動量の保存は Pa+Pb = Pc+Pd エネルギ二乗の量として次の三つの等式が得られる。s = (Pa+Pb)2 = (Pc+Pd)2 t = (Pa-Pc)2 = (Pb-Pd)2 u = (Pa-Pd)2 = (Pb-Pc)2
第二辺を展開するとs = Pa2+2PaPb+Pb2 = 2PaPb+ma2+mb2 //P=muよりP2=m2 t = -2PaPc+ma2+mc2 u = -2PaPd+ma2+mc2
静止した陽子に陽子を衝突させて反陽子を生成する。 陽子及び反陽子の静止質量はどちらもmだとする。 反応式は「p+p→p+p+p+p」である。 s = (E+m)2 - P→2 =2m(E+m) ≥ E*2 - P*→2 = E*2 //CMSで考えると必要な最小のエネルギを考えることになる E* = 4m ∴E≥7m (≡6.57GeV) 光のドップラー効果 K系の上を走る光源の静止系をK'とする。K'で光源は光(ε*, k*→)を出す。 光子はフォトンなので|k→|=ε である。 Kで光は(ε,k→)に見えるとして、k→方向にx軸をとる。 ローレンツ変換を施すと[ε;k1] = [γ,γβ; γβ,γ][ε*, k1*]
観測者がk*→方向にいる時(縦ドップラー効果) k1* = ε* を代入してε=k1=γ(1+β)ε*
を得る。これからε/ε* = ν/ν* = λ*/λ ~ 1+v/c (β~0の周りで)
とドップラー効果が見られる。
11/14 x1方向に動く光源からx2方向に発した光子を観測されるときのドップラーを 横ドップラー効果という。 観測者からは[k1,k2]に見える。四元運動量を計算すると[ε;k1;k2] = [γ,γβ,0; γβ,γ,0; 0,0,1][ε*; 0; ε*] ∴ ε= γε* → ε* k1= γβε* → 0 (β→0の時) k2= ε*
宇宙背景放射 (CMB, Cosmic Microwave Background) 1964, WilsonとPenziasが宇宙からの電磁波を計測した。波長はmicrowaveで 温度換算3K。現在では精度がもっとよくて、T = 2.725±0.001 K (Planck分布) エネルギに換算すると<ε> = kT = 2.34e-4 eV. Geroge Gamovの予言 宇宙は電子、陽子、α粒子がプラズマとして存在してたけど宇宙暦30万年頃に それらは原子として存在するようになった。そうすると局地的にも電荷が ニュートラルになり、光は直進できるようになった。(宇宙の晴れ上がり) T~3000K くらい また光の波長は宇宙の拡大に比例して長くなる。光のエネルギはE=hν=hc/λで 表されることから、波長が長くなる分、エネルギは小さくなる。 1990の測定で、地球の真反対の2ヶ所でCMBを測定するとその温度は非常に近い値 であった。違う方向から来た電磁波なのになぜか→Inflation宇宙: CMBが等方に 見える座標が存在するのかも。 宇宙線エネルギの上限:Greisen-Kuzmin-Zatsepin cut off (GKZ-cutoff) (E,p)で動く陽子pに(ε,k)のガンマ線を当てると陽子とπ0粒子ができる。 衝突エネルギはs = (E+ε)2 - (p+k)2 = (E2-p2) + (ε2-k2) + 2Eε - 2pk = M2 + 0 +2Eε - 2p→・k→ // photonはε=|k|
これが最大となるのはk→=-εとする時で、即ち陽子とガンマ線の正面衝突を これは表すが、代入してsの最大はM2+2ε(E+p)
また「E2 = p2 + m2」より、|p|の最大はEで、それも代入すればsの最大はM2+4εE
また衝突エネルギは二つの静止エネルギの和より常に大きいからs>(M+m)2 ∴M2+4εE > M2+m2+2Mm ∴E > (1/4/ε)(2Mm+m2)
M = 0.938 GeV, m = 0.135 GeV, <ε> = 2.34e-4 eV とすると E > 2.9e20 eV だから2.9e20eV以上の陽子はπ0になるから、宇宙放射として来るのは コレ以下のもののみ。 粒子崩壊と運動学 一般の二体崩壊として「c→a+b」を考える。粒子cの質量をM、a,bの 質量をMa, Mbとする。 CMS(cの静止系になる)でa,bを見ると 運動量保存からpa* = -pb* (=p*)
エネルギ保存はEa* + Eb* = M
んでEa* = sqrt(p*2+ma2) Eb* = sqrt(p*2+mb2)
から、Eとpを解くと Ea* = (M2+Ma2-Mb2)/2/M Eb* = (M2-Ma2+Mb2)/2/M p* = [(M+Ma+Mb)(M-Ma+Mb)(M+Ma-Mb)(M-Ma-Mb)]-1/2/2/M [Ea*; pa*] = [Ea*; p*cos t*; p*sin t*] を逆ローレンツによって[Ea; px; py]に戻すEa = γEa* + γβp*cos t* px = γβEa* + γp*cos t* py = p*sin t*
cos2+sin2=1から ((px-γβEa*)/(γp*))2 + (py/p*)2 = 1 という楕円を描く。横に長い。それはcのすすむ方向だから当然だ。 楕円の中心は[γβEa*, 0]で長径はγp* γβEa* : γp* = β : p*/Ea* = β : β* だから、β>β*の時、楕円はいつもx>0にあることになり、粒子a, bは いつも前方に放出されて見える。 例。 π0→γγという崩壊。質量はπ0は m = 0.135 GeV ガンマは質量ゼロ γ二つは一つをa、もう一つをbとする。π0で見た静止系(CMS)で見るとEa* = Eb* = m/2 mγ=0より、Ea* = pa* = pb*
π0がx方向にp→で動いて見える系では E = sqrt( p2+m2 ), β = p/E, γ = E/m γは光子だからβ*=1で当然β*≥β。よって後方にも放出する。 [Ea; pax; pay] = L・[Ea*; Ea*cos t*; Ea*sin t*] L = [[γ, γβ, 0]; [γβ, γ, 0]; [0, 0, 1]] bについてはcosとsinを-cos, -sinにすればいい π0はスピン0。だから回転エネルギとか余計なこと考えずに静止系で γa(及びγb)の分布は等方的(isotropic)でdΓ/dΩ* = Const (Γは散乱断面積; http://qmpack.homelinux.com/~fujiwara/QMSP1/No1-3.pdf)
dΩ* = dφ*・d(cos t*)を代入してdΓ/d(cos t*) = Const.
Eaはcos t*によってのみ決まる. Ea = γEa* + γβEa*cos t* のでdΓ/dEa = Const
またEaの範囲は、[γEa*(1-β), γEa*(1+β)] の間。 崩壊角とJacobian peak 前の例の「π0 → γγ」を考える。 π0は(E,p)で動いていて、崩壊して、二つのγが角ψを成して飛んでいったと する。二つのγのエネルギはEaとEb。Ea+Eb=Eである。Ea=xEとするとEb=(1-x)E。 xは0以上1以下の実数。mπ2 = (Ea+Eb)2 - (pa+pb)2 = (Ea2-pa2) + (Eb2-pb2) + 2EaEb - 2papb
γの質量ゼロなのでEa=pa, Eb=pb. これを代入してpa・pb = Ea・Eb・cosψ
だからmπ2 = 2EaEb(1-cosψ) = 4E2x(1-x)sin2(ψ/2) ∴mπ = 2E・sqrt(x(1-x))・sin(ψ/2) また、sin2(ψ/2) = mπ2/4/E2・1/x/(1-x)
sin2(ψ/2)はxを0~1で動かした時、x=1/2で最小になってx=0,1に近づくと+∞ に発散する。もちろんsin≤1だから、きっとそんなxは取りえない。 x=1/2でsin2(ψ/2)が最小でその時ψも最小となる。だってψの取り方により 、0≤ψ<πとできるから。 (dΓ/dψ)はx→1/2の時、つまりψ→ψminで+∞に発散して、そこを Jacobian peakという。
11/21 特殊相対論の纏め Lorentz transβ = v/c , γ = (1-β2)-1/2 [ct'; x'] = [[γ , -γβ]; [-βγ, γ]][ct: x] 逆は[[γ, γβ]; [γβ, γ]]
時空のダイアグラム
x'軸: ct' = 0 ⇔ γct - βγx = 0 ⇔ ct - βx = 0 ct'軸: x' = 0 ⇔ -βγct - γx = 0 ⇔ ct - x/β = 0
四元ベクトル、自然単位 運動量P = [E; vec(P)] c = ℏ = 1 Pもまた座標と同じようにローレンツ変換がなされる。 CMSではvec(P)=0とし、 [γ, γβ; γβ, γ][M: 0] = [γM; γ&beta:M] = [E; P] から、β = P/E , γ = E/M
Lorentz Scalar 電荷、静止質量、固有時、固有長はLorentz transに不変。 エネルギ二乗s = (ΣE)^2 - (ΣP)^2
これもローレンツ変換で不変なはずであるが、CMSではE=M>0, P=0から s>0である。
コメ(0) | トラ(0)