intime o'

ディープ・ソートは、はてしない威厳をこめ、あくまでも落ち着き払って答えた。(ダグラス・アダムス著・安原和見訳「銀河ヒッチハイクガイド」より)
物理数学2 2012/01/21(Sat.)
12/1

内容
偏微分
フーリエ変換、デルタ関数
ベッセル関数
直交多項式、直交関数系
特殊関数、ロドリゲスの公式

偏微分方程式 x,y の関数をu(x, y) などと書き、コレに対して ux = lim[h→0] [u(x+h, y) - u(x, y)]/ h = ∂u/∂x 同様にuy, uxx, uxy などを定義する。 偏微分方程式は未知関数u(x,y) とその引数と、その偏微分関数との関係式 F(x, y, u, ux, uy, uxx, .. ) = 0 のコトを言う。一般に関数uはn引数としていいし、未知関数を複数含んでも良い。 一階: F = F(x, y, u, ux, uy) 二階: F = F(x, y, u, ux, uy, uxx, uxy, uyy) 線形: Fが(u, ux, ..)の一次式 非線形: Fがそれの二次以上の式 常微分方程式(一変数)との大きな違い f = f(x) に対して 例えば常微分方程式とは「f" = x」であり、この解は f(x) = (1/6)x3 + Ax + B また「f' = f」も常微分方程式であり、解は f(x) = C・ex 一方、偏微分方程式は u = u(x, y) に対して 「uxx = x」の解は u(x, y) = (1/6)x3 + A(y)x + B(y) 「ux = u」の解は u(x, y) = C(y)ex また「ux - uy = 0」の解は u(x, y) = g(x-y) 常微分方程式の一般解に積分定数という任意定数が含まれるのに対して、 偏微分方程式の一般解には任意関数が含まれる。 註) 変数変換について。 例えば f(x, y) = x2 + xy に対して ∂f/∂x = 2x + y 「x + y = η」として変数を(x, y)から(x, η)に変換する。 即ち、 f(x, η) = xη である。 ∂f/∂x = η = x + y と先の∂f/∂x と異なる。 偏微分においては固定する変数を明記した方がいいかもしれない。 即ちはじめの∂f/∂x は ∂f/∂x|y であり、次のは∂f/∂x|η である。 あと変数変換した後の関数も同じようにfと書くのも紛らわしい。 でもいちいち明記しないし、変数名を変えたりしないので注意。 熱伝導方程式 u = u(t,x) ∂u/∂t = ν(∂/∂t)2u ;ν > 0 = νΔu ;Δ = ∇2 : Laplacian 例。 熱伝導。 物質中の(t,x,y,z)における温度T(t,x,y,z)を考える。 xにおけるdy・dzの面を時間dtの間に通る熱量dqは、その面の面積、 時間、またx+0、x-0における温度の差のマイナスに比例すると 期待できるだろう。(マイナスなのは、熱は温度が高いトコから低い トコに移動するだろうから) 即ち dq = -k・∂T/∂x・dy・dz・dt kは比例定数で「熱伝導率」と呼ぶ。 x+dxでの面dy・dzを通る熱量dq'は同様に考えて dq = -k・∂T/∂x|x = x + dx・dy・dz・dt ∂T/∂x|x = x + dx ~ ∂T/∂x + ∂2T/∂x2・dx [x, x+dt] の領域に、その両端での面dy・dzから入って出た結果 正味入ってくる熱量は dqx = -dq + dq' = k・∂2T/∂x2・dx・dy・dz・dt 同様にdqy, dqzを求める。その3つの和こそが dV = dx・dy・dz という微小体積の中に流入する熱量dQであり、 dQ = k(∂2/∂x2 + ∂2/∂y2 + ∂2/∂z2)T・dxdydz・dt = kΔTdVdt また比熱cとは dQ = c・m・dT = c・ρV・dT であるので cρdVdT = kΔTdVdt ∴∂T/∂t = (k/c/ρ)ΔT //微少量dT, dtに対してdT/dtはTのt微分ではなくて偏微分 最初に挙げた熱伝導方程式が導かれる。 例。 1次元ランダムウォーク x軸上の格子点を動く点が時刻t=0にx=0にあるとする。 時間dt毎に同じ確率(即ち1/2)で左右どちらかにdxだけ動く。 時刻tに位置xにその点がある確率をP(t, x) とする。 つまり P(t+dt, x) = (1/2)P(t, x-dx) + (1/2)P(t, x+dx) である。両辺からP(t,x)を引いて P(t+dt, x) - P(t,x) = (1/2)[P(t, x-dx) - P(t, x)] + (1/2)[P(t, x+dx) - P(t,x)] dt、dxを微小にすると P(t+dt, x) ~ P(t,x) + ∂P/∂t・dt P(t, x士dx) ~ P(t,x) + ∂P/∂x・(士dx) + (1/2)∂2P/∂x2・(士dx)2 と近似して代入すると ∂P/∂t = (dx2/2/dt) ∂2P/∂x2 となって熱伝導の式になる。 --- 12/8 Fourie trans(フーリエ変換)による方程式の解法 周期2πの実関数f(x)に就いて f(x) = ∑[n = -∞; ∞]cneinx ; cn = (1/2/π)∫πf(x)e-inxdx と複素フーリエ展開する。 [証明(確認)] (i) ;の左のようにf(x)が展開できた時、 (1/2/π)∫f(x)e-imxdx = (1/2/π)∑n∫cnei(n-m)xdx ∑の中 「cn∫ei(n-m)xdx」 について、 n = m の時、(n-m)=0を代入して cn∫1dx = 2πcm n ≠ m の時、ei(n-m)π = e-i(n-m)π だから cn∫ei(n-m)xdx = 0 で結局 (1/2/π)∫f(x)e-imxdx = cm として係数cnが求まる。 (ii) 逆に、;の右の{cn}が用意できた時に;の左のようにf(x)が展開されるのか。 つまり、 ∑[n = -∞; ∞] cn・einx = ∑[n = -∞; ∞] (1/2/π) ∫-∞-∞ f(y) e-inydy・einx = ∑ (1/2/π) ∫f(y) ein(x-y)dy = f(x) となるのか。 実は「(1/2/π)∑exp(in(x-y))」は周期2πのデルタ関数になっている。 証明はまた今度。 Fourie transの例 f(x) = abs(x) (-π< x < π) これをフーリエ変換する。 cn = (1/2/π) [∫[0,π]x・exp(-inx)dx + ∫[-π, 0](-x)exp(-inx)dx] = (when n = 0)? π/2 : (when n is even)? 0 : (else, n is odd)? -2/π/n2 よって f(x) = π/2 - ∑[n = 士1, 士3,..] (2/π/n2) einx = π/2 - (4/π)[cos(x) + cos(3x)/32 + cos(5x)/52 + ..] // cos(t) = (exp(it) + exp(-it) )/2 x = 0 を代入してみると 0 = π/2 - 4/π(1 + 1/9 + 1/25 + ..) ∴π2/8 = 1 + 1/9 + 1/25 + .. 例2 f(x) = (when -π≤x<0)? 0 : (else, 0≤x<π) 1 をフーリエ変換する。 cn = 1/(2π) ∫[0, π] 1・exp(-inx)dx = 1/(2π) [-1/(in) exp(-inx)]0 ∴cn = (when n=0)? 1/2 : (when n is even)? 0 : 1/(iπn) より f(x) = 1/2 + (2/π)[sin(x) + sin(3x)/3 + ..] x=0はf(x)では不連続点であるが、フーリエ級数ではf(x)=1/2である。 デルタ関数 f(x) (-∞ < x < ∞)に対して ~f(p) = ∫[-∞, ∞] f(x) exp(-ipx) dx を作る変換をフーリエ変換という。 対して f(x) = 1/(2π) ∫[-∞, ∞] ~f(p) exp(ipx) dp に戻すのが逆フーリエ変換。 ~f(p) = 1 の逆フーリエ変換はデルタ関数になる。 1/(2π)∫[-∞, ∞]eipxdp = δ(x) デルタ関数とは δ(x) = (when x = 0)? ∞ : 0 ;∫-∞ δ(x) dx = 1 という関数である。実際にはx≠0ではゼロだから ε δ(x) dx = 1 である。 δ(x)は偶関数。 また特徴として ∫f(x)δ(x-a)dx = f(a) となる。(というかコレ自体を定義としているものもよく見る) 0, ∞としか値を取らないようだけど、全体を積分したものが一定という 条件から、例えばδ(x)をスカラ倍したものが元のものと一致するわけ ではない。 例えば、y = ax に対して 1 = ∫δ(x)dx = ∫δ(y)dy = a・∫δ(ax)dx より δ(x) = aδ(ax) ⇔ (1/a)δ(x) = δ(ax) // δ(x)がゼロでない点の近傍だけの積分に限定すればいいから // 被積分関数が一致するとみていい // 縦に1/a倍したものはヨコにa倍したものと一致する。 // (ε,0), (-ε,0), (0, 1/ε) の三点をつなぐ三角形のイメージ もっと一般的に y = f(x) に対して 「f(x) = 0」の根をa0, a1, ..とすると δ(y) = ∑ δ(x-ai)/abs(f'(ai)) なのである。 本当かな? こんなのもある。 ∫f(x)δ'(x)dx = -f'(0) これは部分積分してみればいい。 δの表現 (1) δ(x) = lim[a→+0] (1/π) Im[1/(x-ia)] ;a > 0 = lim (a/π) 1/(x2+a2) (2) δ(x) = lim[a→+0] 1/(a√π) exp(-x2/a2) ;a > 0 (3) δ(x) = lim[λ→∞] sin(λx)/(πx) //(3)はグラフを書くとx≠0でゼロになってはいないが //∫f(x)δ(x)dxはf(0)になる。 (3)だけ導出してみる。 δ(x) = ∫exp(ipx)/(2π)dp = lim[λ→∞] ∫[-λ, λ] exp(ipx)/(2π)dp = 1/(2π) [exp(ixλ) - exp(-ixλ)]/(ix) = sin(λx)/(πx) 次はフーリエ変換の証明の時に言及したやつ。 D(x) = 1/(2π)∑[n = -∞; ∞] exp(inx) これもδ(x)である。 D(x) = 1/(2π)[1 + ∑[n = 1; ∞] 2cos(nx)] ∴D(x)sin(x) = 1/(2π)[sin(x) + ∑ 2cos(nx)sin(x)] = 1/(2π)[sin(x) + ∑[sin((n+1)x) - sin((n-1)x)]] = lim[n→∞] 1/(2π)[sin((N-1)x) + sin(Nx)] (∑の中展開すると打ち消しまくる) = lim 1/(2π) 2cos(x/2)sin((N-1/2)x) = x・cos(x/2)・lim sin(N-1/2)x / (πx) = x・cos(x/2)・δ(x) (∵(3)を用いた) ∴D(x) = x・cos(x/2)/sin(x)・δ(x) = (x/2)/sin(x/2)・δ(x) x=0付近で(x/2)sin(x/2) = 1、離れたトコではδ(x) = 0であるから D(x) = δ(x) 熱伝導をフーリエ変換 熱伝導方程式は ∂φ/∂t = νφ2/∂x2 ---(1) であった。φ = φ(x, t) であるが、変数xについてフーリエ変換を施してみる。 ~φ(p, t) = ∫dxφ(x, t)exp(-ipx) φ(x, t) = 1/(2π)∫dp~φ(p, t)exp(ipx) この二式目を(1)に代入すると ∫dp/(2π)(∂~φ/∂t)exp(ipx) = ν∫dp/(2π)~φ(∂2/∂x2)exp(ipx) = ν∫dp/(2π)~φ(-p2)exp(ipx) // xで偏微分する対象がexpだけになった!ズルい! 実はこの時点で両辺の被積分関数が一致すると見て良い。それはつまり 以下のことに基づく。 両辺にexp(-iqx)を掛けてxで積分して ∫dx∫dp/(2π)(∂~φ/∂t)exp(i(p-q)x) = ν∫dx∫dp/(2π)~φ(-p2)exp(i(p-q)x) さて、∫exp(i(p-q)x)dxは2πδ(p-q)であるから, p=qを代入して ∂~φ/dt(q, t) = -νq2~φ(q, t) が残る。 // δ自体が積分を使って表される。 // δに任意関数を掛けて積分したものはその関数の値で表される。 // これで∫が二つ消えたことになる。 ~φの編微分方程式が導出された。これは簡単に解けて ~φ(q, t) = C(q)・exp(-νq2t) である。 t=0にφ(x,0)=δ(x)であるという初期条件を付け加えてみよう。 ~φ(q, 0) = C(q)・exp(0) = C(q) そもそも~φはφのフーリエ変換で ~φ(q,0) = ∫dxφ(x,0)exp(-iqx)dx = 1 //δのフーリエ変換は1です。 よってC(q) = 1であり、~φ(p, t) = exp(-νp2t) と決定する。 これを逆フーリエ変換しよう。 φ(x, t) = 1/(2π) ∫dp~φ(p,t)exp(ipx) = 1/(2π) ∫exp(-νp2t+ipx)dp = 1/(2π) ∫dp exp[-νt(p - ix/2/ν/t)2 - x2/4/ν2/t2] //expの肩を平方完成 = 1/(2π) exp(-x2/4/ν2t2) ∫dp exp[-νt(p - ix/2/ν/t)2] //pに関係ない部分を前に出して = 1/(2π) exp(-x2/4/ν2t2) sqrt(π/ν/t) //ガウス積分は虚数方向にズラしても同じ = 1/2/sqrt(πνt)・exp[-x2/(4νt)] これはx方向に拡がるガウス分布である。 確かにt=+0ではδ(x)である。 では、初期条件が一般にφ(x, 0) = ρ(x) の時は。 ~φ(q, 0) = ∫ρ(x)exp(-iqx)dx = ~ρ(q) これがC(q)であって φ(q,t) = ~ρ(q)exp(-νq2t) これを逆フーリエ変換して φ(x,t) = ∫dp/(2π) ~ρ(p)exp(-νp2t)exp(ipx) = ∫dp/(2π) ∫ρ(y)exp(-ipy)dy・exp(-νp2t)exp(ipx) = ∫dyρ(y)∫dp/(2π)exp(ip(x-y))exp(-νp2t) = ∫dyρ(y)G(x-y, t) 初期条件ρ(x)をδ(x-a)の重ね合わせだと考えると良い。 それぞれはガウス分布として拡がる。 --- 12/15 波動方程式 1次元... v-2φtt = φxx n次元... v-2φtt = ∇φ 1次元ならカンタンに解ける。 (1/v2)∂2φ/∂t2 = ∂2φ/∂x2 ⇔ [(∂/∂x)2 - 1/v2・(∂/∂t)2]φ = 0 x - vt = ξ, x + vt = η と置くと見やすくなる。 ∂/∂x = ∂ξ/∂x・∂/∂ξ + ∂η/∂x・∂/∂η = ∂/∂ξ + ∂/∂η 1/v・∂/∂t = -∂/∂&xy; + ∂/∂η となって [(∂/∂x)2 - 1/v2・(∂/∂t)2]φ = 0 ⇔ [(∂/∂ξ+∂/∂η)2 - (-∂/∂ξ + ∂/∂η)2]φ = 0 ∴ ∂/∂ξ・∂/∂ηφ = 0 ⇒ ∂/∂ξφ = A(η) //Aは任意の一変数関数 ⇒ φ = ∫A(η)dη + B(ξ) 結局、φ(t, x) = g(x+vt) + h(x-vt) ; g, hは任意の一変数関数 と表せる。 h, gは初期条件によって決まるだろう。 フーリエ変換によって解いてみよう。 2/∂x2 φ = 1/v22/∂t2 φ このφ(t, x)を~φ(t, p)にフーリエ変換する。 ~φ(t, p) = ∫dx φ(t, x) exp(-ipx) dx // 右辺に1/sqrt(2π)倍するやり方もあるが、その場合は // 下に書く逆変換の式がちょっと変わる。 // 個人的にはそっちのほうが親しみがある。 また逆フーリエ変換を表す φ(t, x) = (1/2π)∫dp~φ(t, p) exp(ipx) dp この式を始めの1次元波動方程式に代入してみる。 するとフーリエ変換後の世界の、波動方程式が出てくる。それが次 ∫dp/(2π) ~φ (-p2)exp(ipx) = 1/v2 ∫dp/(2π) (∂2/∂t2) ~φ exp(ipx) xの偏微分はexpだけを微分すればいい。tでの偏微分は~φに掛かったままだ。 しかして、この被積分関数は一致する。 それは以下に基づく。
両辺にexp(-iqx) を掛けてx で積分する。 ∫exp(i(p-q)x)/(2π)dx は δ(p-q)を表していて、 左辺: ∫dp ~φ(t, p)(-p2)δ(p-q) = ~φ(t, q)(-q2) 右辺: ∫dp 1/v2 (∂2/∂t2)~φ(t, p)exp(ipx)δ(p-q) = 1/v2 (∂2/∂t2)~φ(t, q)exp(iqx) qは任意なので変数pと置き換えれば, 結局 -p2 ~φ = 1/v22~φ/∂t2
-p2 ~φ = 1/v22~φ/∂t2 ⇔ (∂2/∂t2)~φ = -v2p2 tについての微分方程式であるから、これくらいは解けるよね。 一般解は ~φ = ~C1(p) exp(ivpt) + ~C2(p) exp(-ivpt) これを逆フーリエ変換すれば、φについて解けたことになる。 φ = ∫dp/(2π) ~φ(t, p) exp(ipx) = ∫dp/(2π)・[ ~C1 exp(ip(x+vt)) + ~C2 exp(ip(x-vt)) ] 「C1(x+vt) + C2(x-vt)」という形になる 3次元波動方程式 1/v22/∂t2 φ(t,x,y,z) = ∇2 φ(t,x,y,z) x,y,z方向にフーリエ変換してやればいい。 (x,y,z)をベクトルxで表して φ(t, x) = ∫(dp)3/(2π)3 ~φ(t,p)exp(ipx) pも三元ベクトルで、pxは内積。 これを初めの波動方程式に代入すると 1/v2 ∫(dp/2/π)3 [∂2/∂t2 ~φ(t,p)] exp(ipx) = ∫(dp/2/π)3 ~φ(t,p) (-p2) exp(ipx) ⇒ 1/v22/∂t2 ~φ(t,p) = -~φ(t,p) |p|2 これを解くと ~φ(t,p) = ~C1(p) exp(-iv|p|t) + ~C2(p) exp(iv|p|t) これを逆フーリエ変換すればφについて解いたことになる。 おしまい。 おまけ 量子力学において、波動関数ψに対して ~Eψ = ~p2/(2m) ψ が運動方程式. また、量子力学ではエネルギ ~E = i∂/∂t 運動量 ~p = 1/i・∇である。 これに相対論の E2 = p2 + m2 を組み合わせた -∂2/∂t2 ψ = (-∇2 + m2) φ これがKlein-gorden 方程式。 このψをフーリエ変換して~ψを作ると ψ(t, x) = ∫(dp/2/π)3 ~ψ(t, p) exp(ipx) これをKlein-gorden eq.に代入すると 2/∂t2 ~ψ(t,p) = -(|p|2+m2) ~ψ(t,p) = -Ep2 ~ψ(t,p) よって ~φ(t,p) = ~C1(p) exp(-iEp・t) + ~C2(p) exp(iEp・t) Poission方程式 2φ(x) = -ρ(x) 例えば電荷密度ρに対して電位φ、みたいな場を表す。 簡単に3次元空間における点電荷の場合を考える。 ρ(x) = δ(x1)・δ(x2)・δ(x3) = δ3(x) φをフーリエ変換する。 φ(x) = ∫(dp/2/π)3 ~φ(p) exp(ipx) を代入して ∫(dp/2/π)3 ~φ (-p2)exp(ipx) = -δ3(x) またデルタ関数の項で書いたように ∫(dp/2/π)1・exp(ipx) = δ(x) ∴ ∫(dp/2/π)31・exp(ipx) = δ3(x) //xはベクトル つまり、δ(x)とは1を逆フーリエ変換したものである。 これを代入して、被積分関数を比較すると ~φ(p) (-p2) = -1 ∴ ~φ(p) = 1/|p|2 これをフーリエ変換によって戻せば φ(x) = ∫(dp/2/π)3/|p|2 exp(ipx) この3次元体積積分をすればいい。 極座標がいいだろう。 p = p・(sinθcosφ, sinθsinφ, cosθ) ∫(dp)3 = ∫[0, ∞] p2dp ∫[-1, 1]d(cosθ) ∫[0, 2π]dφ これを用いて φ(x) = 1/(2π)3∫[0, ∞] p2dp ∫[-1, 1]d(cosθ) ∫[0, 2π]dφ (1/p2)exp(ip|x|・cosθ) = 1/(2π)2∫dp ∫d(cosθ)exp(ip|x|cosθ) = 1/(2π)2∫dp [1/(ip|x|) exp(ip|x|cosθ)]cosθ=-1cosθ=1 = 1/(2π)2∫dp 1/p sin(p|x|) = 2/(2π)2/|x| ∫sin(z)/z dz = 1/(2π2|x|)・π/2 = 1/(4π|x|) よって φ(x) = 1/(4π|x|) 初期状態が一般にρ(x)である場合はこの点電荷の重ね合わせだと考えられる。 2φ(x) = -∫ρ(y)δ(x-y)(dy)3 ⇒ φ(x) = ∫ρ(y)/(4πx-y)(dy)3 と解ける。 実はこのφに任意のベクトルkを用意して φ' = φ+kx としたものが一般解である。 ラプラシアン 熱伝導 (∂/∂t)φ = ν∇2φ 波動  (∂/∂t)2φ = v22φ poisson ∇2φ = -ρ ヘルムホルツ方程式 (∇2+k2)φ = 0 (-ρ(x)) のように皆ラプラシアン∇2=Δ=Σ(∂/∂xi)2 を含んでいる。 ラプラシアンについて考えよう。 1次元。 2 = ∂2/∂x2 2次元 2 = ∂2/∂x2 + ∂2/∂y2 極座標 (x,y)=(r・cosθ, r・sinθ)とすると 2 = ∂2/∂r2 + 1/r ∂/∂r + 1/r22/∂θ2 = 1/r ∂/∂r (r・∂/∂r) + 1/r22/∂θ2 3次元 2 = ∂2/∂x2 + ∂2/∂y2 + ∂2/∂z2 円柱座標 (x, y, z) = (r・cosθ, r・sinθ, z)とすると 2 = ∂2/∂r2 + 1/r ∂/∂r + 1/r22/∂θ2 + ∂2/∂z2 極座標 (x, y, z) = (r・sinθcosφ, r・sinθsinφ, cosθ) として ∇2 = ∂2/∂r2 + 2/r ∂/∂r + 1/r2 ˆΩ(θ,φ) = 1/r (∂2/∂r2 r) + 1/r2 ˆΩ ; ˆΩ(θ,φ) = 1/sinθ ∂/∂θ(sinθ ∂/∂θ) + 1/sin2θ ∂2/∂φ2 ベッセル関数が出てくる具体例 太鼓の振動。 半径Rの平面上の円での各点x~(r, θ)での振動φ(x,t)を解く。 定常波は、xで決まる振り幅u(x)に振動exp(iωt)を掛けた φ(x, t) = u(x)・exp(iωt) と表せるだろう。 実際の波はこれの重ね合わせだと考えれば良い。 そして波動方程式 1/v22/∂t2 φ = ∇2φ に代入すると (∇2 + k2) u(r,θ) = 0 ; k2 = (ω/v)2 を得る。これを解けば良い。 フーリエ変換では解けないらしい。rの範囲が有限だから。 rについての境界条件を適用できない、という意味なのかな、たぶん。 変数分離で解こう。 u(r,θ) = f(r)・g(θ) // 実際には「u = ∑fi・gi」を想定している。 ∇を二次元極座標表示して (∂2/∂r2 + 1/r ∂/∂r + 1/r22/∂θ2 + k2)f(r)g(θ) = 0 ⇔ f"g + 1/r f'g + 1/r2 fg" + k2fg = 0 ⇔ r2f"/f + 1/r g"/g + g"/g + k2r2 = 0 ⇔ r2f"/f + rf'/f + k2r2 = -g"/g よくある両辺定数という形。 なぜならば最後の式を「=h(r,θ)」と置くと左辺はrの式だからθで 偏微分すると「∂h/∂θ = 0」。同様に「∂h/∂r = 0」でhは定数。 ゆえに下の二つが導出される g"(θ) = -h・g(θ) r2f"(r) + rf'(r) + (k2r2 - h)f(r) = 0 -g"/g = h ∴ g"(θ) = -hg(θ) ∴ g(θ) = C1 exp[sqrt(-h)θ] + C2 exp[-sqrt(-h)θ] (i) when h = 0 gは定数である。 (ii) when h < 0 expの右肩の数は実数となる。 ここで境界条件を考えよう。θは角であるから g(θ) = g(θ + 2π) であるはずだ。 しかし実数しか取らないexpは単調増加または単調減少なのでこれを満たさない 解ナシだ。 (w) when h > 0 expの右肩の数は虚数である。 先の境界条件を満たすには sqrt(-h) = i・sqrt(h) としてsqrt(h)が整数であればよい。 h = m2 として表せる。 m = 0,士1,士2,.. として(i)と合わせて良い。 r2 f"/f + rf'/f + k2r2 = h = m2 ⇔ r2f" + rf' + (k2r2 - m2)f = 0 rをx=krによって変数xに変換しよう。 するとf'(x) = 1/k・f'(r)であるから x2f"(x) + xf'(x) + (x2-m2)f(x) = 0 これをm次のベッセル微分方程式という。 そしてこれを満たす解をm次のベッセル関数Jm(x)という。 Jm(x) = Σ[s=0; ∞] (-1)s /s! /(s+m)! (x/2)m+2s x=krに従って減衰していく振動を表す。 このJmを使えば f(r) = Jm(kr) ⇔ u(r,θ) = Jm(kr) exp(士imθ) ⇔ φ(r, θ t) = Jm(kr) exp(士imθ) exp(iωt) ; ω = kv m = 0, 士1, 士2, ..について重ねあわせを一般解とすればいい。 太鼓の円周、r = R でφ = 0 という境界条件を考えよう。 Jm(kR) = 0 となればよい。 一般にJm(x)は零点を無限に持つがnコ目をjmnとすれば k = jmn/R ω = kv = vjmn/R これを代入して φ(r,θ,t) = Jm(r/R jmn) exp(imθ) exp(ivjmn/R t) これが一つのモードであり、m=0,士1,士2.. , n=1,2,.. の全通りについて重ね合わせたのが一般解 三次元の振動 ψ(x,t) = u(x)・exp(iωt) u(x) = u(r,θ,ψ) について解く。 波動方程式 (∇2 - 1/v22/∂t2)Ψ = 0 に代入して (∇2 + k2) u(x) = 0 ; k = ω/v さっきと同じだけど。 u(x) = R(r) Y(θ, ψ) と変数分離して代入する. ただし 2 = 1/r d2/dr2 r + 1/rˆΩ ˆΩ = 1/sinθ ∂/∂θ(sinθ∂/∂θ) + 1/sin2θ ∂2/∂φ2 ...θ,φについての作用素であるので Y 1/r ∂2/∂r2(rR) + R/r2(ˆΩY) + k2RY = 0 ⇔ r/R ∂2/∂r2(rR) + k2r2 = -ˆΩY/Y 最後の式はやはり両辺定数でありそれをα としよう。 すると次の二つを得る。 r(rR)" + (k2r2 - α)R = 0 ˆΩY = -αY カンタンな方から解こう。 ˆΩY = -αY ˆΩの固有方程式だ。 解くしかない。 Y(θ,ψ) = Θ(θ) Ψ(ψ) と変数分離したのを固有方程式に代入すると 1/sinθ (sinθΘ')'Φ + 1/sin2θ ΘΦ" + αΘΦ = 0 ⇔ sinθΘ')' + αsin2θ = -Φ"/Φ 両辺を定数β2と置くことができて(後で√βが出てくるとアレなのではじめにβ2と置く) Φ" = -β2Φ ⇔ Φ = A exp(iβφ) + B exp(-iβφ) そしてΦ(φ) = Φ(φ + 2π) となるために β = m (整数) 1/sinθ d/dθ(sinθd/dθ Θ) - β2/sin2θ Θ + αΘ = 0 先の計算からβ=m であることと、 μ = cosθと置くと d/dθ = -sinθd/dμ = -sqrt(1-μ2) d/dμ より d/dμ((1-μ2) d/dμ Θ) + (α - m2/(1-μ2))Θ = 0 これはLegendre倍関数の微分方程式であり、 α = n(n+1) Θ(θ) = Pnm(μ) = Pnm(cosθ) n = 0,1,2,.. m = -n, -n+1, .. , n-1, n と解けるのだ。 結局 Ynm(θ, φ) = Nnm Pnm(θ, φ) exp(imφ) これを球面調和関数という。 任意の球面上の関数はこれのn,mについての重ね合わせで表される。 そういえばまだRについて解いてない r2R"/R + 2rR'/R + r2k2 = α であった。 α = n(n+1) を代入して r2R" + 2rR' + r2k2R = n(n+1)R kr = x と変換して x2R(X) + 2xR'(x) + (x2 - n(n+1))R(x) = 0 さらに R(x) = x-1/2f(x) とおくと x2f" + xf' + [x2-(n+1/2)2]f = 0 これは次数が(n+1/2)のベッセル関数だ。 だから結局 R(x) = x-1/2Jn+1/2(x) でコレを球ベッセル関数という。 クーロンポテンシャル V(x) = -A/r は点電荷に対する電位でポテンシャルは E(x) = -grad(v) < 0 そしてシュレーディンガー方程式は [-ℏ2/(2m) ∇2 + V]Ψ(x) = E・Ψ(x) 適当に定数置いて [∇2 + α/r - e) Ψ(x) = 0 と読める。 ΨをYnmで展開する。つまり Ψ(r,θ,ψ) = R(r) Y(θ,ψ) ∴ ∂2/∂r2 + 2/r ∂/∂r - n(n+1)/r2 + α/r - e)R(r) = 0 変数変換するとラゲールの陪微分方程式になってその解はラゲールの陪多項式と 呼ばれる。後述だ。 直交関数系、直交多項式 ベッセル関数、ルジャンドル関数、ラゲール関数、エルミート関数などは 直交関数系をなす。 定義。 変域[a,b]で定義された二つの関数f,gに対して、重みw(x)を用いて (f, g) = ∫[a,b] w(x)・f*(x)・g(x)・dx これをf,gの内積(inner product)とする。 但しここで、f*はfの複素共役で、またw(x)は[a,b]で0よりも大きい実関数。 内積は線形である。 (f1+f2, g) = (f1, g) + (f2, g) (f, kg) = k(f, g) (kf, g) = k*(f, g) //注意! またイカの性質を持つ。 (f, g) = (g, f)* //交換則 (f, f) = ||f||2 ≥ 0 // ||f||をノルムとする。 |(f, g)| ≤ ||f||・||g|| // 二元ベクトルのイメージで ||f+g|| ≤ ||f|| + ||g|| // 三角不等式 (f, g) = 0 の時、fとgは直交してるという。 関数の集合{fn}について ∀i,j : (fi, fj) = Niδi, j (Ni > 0) の時、{fn}を直交関数系という。 Niは規格化定数で φi(x) = Ni-1/2fi(x) とすると、規格化定数は1で(規格化なされた)あり、{φn}を正規直交関数系とゆう。 例えば、 gn(x) = exp(inx) (n = 0,1,2..) これは積分区間I = (-π, π)、重みw(x) = 1 で (gn, gm) = 2πδn, m となる。 完全系 区間[a,b]の関数f(x)が、関数の列{f1, f2, f3, ..}で表現されるとき、 つまり || f - ∑[n=0; N] cnfn || → 0 (N→∞) となるような係数の列{cn}を取ることができる時、 この関数列を完全系という。 直交系{fi}を用意する。 コレに対して φi = 1/sqrt(||fi||) fi とすれば{φi}は正規直交系になる。 任意のfに就いて f(x) = ∑ ci φi(x) と表せれば n, f) = ∑ cin, φi) // 内積の線形性 = cnn, φn) = cn と係数cnが求まる。 ・その直交系がδ関数を展開できるか。 つまり δ(x-y) = ∑dn(y) φn(x) とできる({dn}を用意できる)ならば、 任意の関数f(x)に就いて f(x) = ∫δ(x-y)f(y)dy = ∑ (∫f(y)dn(y)dy)φn(x) として、f(x)もφn(x)によって展開できたことになる。 それが完全系である為には、デルタ関数さえ展開できることが必要十分条件である。 dn(y)を求めよう。 dn(y) = (φn, δ) = ∫ w(x)φn*(x) δ(x-y) dx = w(y)φn*(y) これを戻せば δ(x-y) = w(y)∑φn*(y)φn(x) これをφが完全系である条件とする。 // ベクトルとのアナロジー。 // δは単位行列E。 // φn(y) は基底en = [0;0;..;1;..;0] // ∑ent・en = E ベッセル関数 母関数表示 ∑[n = -∞; ∞] tn Jn(z) = exp(z(t-1/t)/2) これにt=exp(iθ)として代入すると ∑[n = -∞; ∞] exp(inθ) Jn(z) = exp(iz・sinθ) (1/2/π)exp(-inθ)を両辺に掛けて θで[-π, π]において積分すると Jn = (1/π) ∫[0, π] dθ cos(nθ - z・sinθ) ; n ∈ Z という積分表示もできる。 母関数表示を元にしてほとんどの性質が導出できる。 また右辺のexpをローレンツ展開して両辺のtnの係数を比較すると Jn = ∑[k = 0; ∞] (-1)k/k!/(k+n)!・(x/2)n+2k 性質 J-n(x) = Jn(-x) = (-1)n Jn(x) Jn(x+y) = ∑[m = -∞; ∞] Jn-m(x)・Jm(y) //加法定理 一般のベッセル関数 母関数表示からJnは求まったが n∈Z ⇒ ν∈R (k+n)! ⇒ Γ(k+n+1) として拡張して一般性を高められる。即ち Jν = ∑[k=0; ∞] (-1)k /k! / Γ(k+ν+1)・(x/2)ν+2k 漸化式 (D - ν/x)Jν(x) = -Jν+1(x) (D + ν/x)Jν(x) = Jν-1(x) Dはxでの微分d/dxを表す。 (D 士 ν/x)によってベッセル関数の添字を上げ下げできるので これを昇降演算子と呼ぶ。 またこの二つの和を取ると微分を含まない漸化式が得られる。 証明は母関数表示で可能。 expの方の関数をf(z,t)とすると ∂f/∂xについて、 また∂f/∂tについての関係式が求まり、そのfにSumの方を 代入すると導出される。 微分方程式 二つの漸化式から次が求まる [D2 + (1/x)D + (1 - (ν/x)2)]Jν(x) = 0 波動方程式 [∇2 - (1/c2)(∂2/∂t2]Φ = 0 定常波を考えると Φ = u(x)・exp(iωt) として (∇2 + k2)u = 0 ; k = ω/c 一般に下の式をHelmholtz方程式という。 (∇2 + k2)u = 0 二次元である時 u(x) = R(r)Θ(θ) としてみると Θ(θ) = Aexp(士inθ) R(r) = Jn(kr) 三次元な時 u(x) = R(r)Y(θ, φ) とすると ˆΩYnm = -n(n+1)Ynm R(r) = sqrt(π/(2kr))Jn+1/2(kr) = jn(kr) // 球ベッセル 様々な直交多項式 関数の内積、直交については前に書いたはず。 ベクトルの内積、直交とのアナロジーで考えれば良い。 xのn次式Pn(x)として、{P0, P1, .. Pn, ..}が直交系であることを考える。 そしてGram-Schemitのアルゴリズムが利用できて 直交多項式は規格化を覗いて一意的 直交系であるP0~Pn-1 が既に用意されてるとすると それを使って n次式Pnは、 Pn(x) = xn + ∑[k=0; n-1] ckPk(x) と表せる。 「0 ≤ m ≤ n」のm に対して (Pn, Pm) = (xn, Pm) + ck(Pm, Pm) Rodrigues's formular 「様々な(?)」直交多項式は、ある二次以下の多項式Q(x) としかるべきw(x) に対して Pn(x) = cn 1/w(x) Dn(w(x)Q(x)n)
積分区間 I重み w(x)名前
[-1,1]1Legendre多項式, Pn
(1-x2)-1/2Tschebyscheff
(1-x2)α (α>-1)Gegenbauser
 (1-x)α(1+x)β (αβ>-1)Jacobi
[0,∞)exp(-x)Laguerre, Ln
 xαexp(-x)Sonine(LaguerreL)
(-∞,∞)exp(-x2)Hermite, Hn
wとQは次のような「境界条件」を満たしている Dk(w(x)Q(x)n)(a) = 0 Dk(w(x)Q(x)n)(b) = 0 (k = 0,1,..n-1) ; a, bは積分区間の下端、上端 また、Pnはちゃんとn次式になっている。 またこの境界条件のお陰で、一般に(n-1)次(以下)式とPnが直交すること が確かめられる。具体的には内積を定義通り積分の式として、部分積分しまくる。 Rodriguesが満たす微分方程式 Rodriguesの公式によるPn(x)は次の微分方程式を満たす。 [QD2 + (1/c1)P1D + λn]Pn(x) = 0 Qは二次式で、P1は一次式。 またλnλn = -n(1/c1P1'(x) + (n-1)/2Q"(x) であり、これは定数である。 またさらにP1についてロドリゲスの公式を適用すれば [Q(x)D2 + (P1/c1)D] = QD2 + (1/w)(wQ)'D = (1/w)D(wQD) = ˆH とおいて、最初の微分方程式は次のように書き改められる。 ˆHPn(x) = -λnPn(x) 作用素ˆH の固有方程式である。 証明の抄 (i) ˆH はn次式をn次(以下)式に写して、 ˆHPn = ∑cknPk(x) と表せる。 (u) (ˆHf, g) = (f, ˆHg) (ˆHの内積(,)に対するエルミート性) (w) (i)で言ったようにˆHPm, ˆHPnを和で表して m>nについて (ˆHPm, Pn) = (Pm, ˆHPn) の両辺をそれぞれ 展開するとˆHの固有関数がPnであることが分かる。 (μ) Pn, Q, P1/c1 のはn次、2次、1次の多項式であるが、その 最高次の係数だけを置いて、ˆHPnを実際に計算してみる。 固有関数がPnであることを信じると固有値が分かる。 様々な直交多項式。具体的に見てみる ルジャンドル多項式 母関数表示 Legendre: ∑[n=0; ∞]yn Pn(x) = (y2-2xy+1)-1/2 Pn = (-1)n/2n/n!・Dn(x2-1)n = (2n)!/2n(n!)2 xn + … 積分区間[-∞, ∞]、重み 1で直交して規格化定数 Nn = 2/(2n+1) 性質 P_n(-x) = (-1)n P_n(x) 漸化式 (2n+1)xP_n = (n+1)Pn+1 + nPn-1 [(1-x2)D - (n+1)x]Pn = -(n+1)Pn+1 [(1-x^2)D - (n+1)x]P_n = nP_{n-1} // 上二つの和 これもやはり、母関数を偏微分してみることで示せる。 ルジャンドル陪関数 (LegendreL) ルジャンドルの拡大版。以下のmについてm=0 としたものがルジャンドル多項式である。 ロドリゲスの公式 P_n^m(x) = (1-x^2)^{m/2}/2^n/n! D^{n+m}(x^2-1)^n (-n≤m≤n) 母関数表示 ∑[n=m; ∞]yn Pnm(x) = (2m)!(1-x2)m/2/2m/m!・ym/(y2-2xy+1)m+1/2 性質。 P_n^m(-x) = (-1)^{n+m}P_n^m(x) m≤0の時、ルジャンドル多項式を用いて下のように書ける P_n^m(x) = (1-x^2)^{m/2}D^mP_n(x) そしてこれは便利 P_n^{-m} = (-1)^m (n-m)!/(n+m)! P_n^m(x) 漸化式 [(1-x^2)D + mx]P_n^m(x) = sqrt(1-x^2) P_n^{m+1}(x) [(1-x^2)D - mx]P_n^m(x) = -(n+m)(n-m+1)sqrt(1-x^2) P_n^{m-1}(x) ルジャンドル陪微分方程式 [(1-x^2)D^2 - 2xD + n(n+1) - m^2/(1-x^2)]P_n^m(x) = 0 規格化定数 N_n^m = 2/(2n+1) (n+m)!/(n-m)! (P_n^m, P_k^m) = N_n^m δ_{n ,k} Jacobi 母関数表示 ∑[n=0, ∞] t^n P_n^{a,b}(x) = 2^{a+b}R^{-1}(1-t+R)^{-a}(1+t+R)^{-b} ; R = (1 - 2tx + t^2)^{1/2} Sonine 母関数表示 ∑ t^nSn^a(x) = (1-t)^{-a-1} exp(xt/(t-1)) ロドリゲスの公式 Sn^a(x) = exp(x) x^{-a} D^n(exp(-x) x^{a+1}) ソニン微分方程式 [xD^2 + (a+1-x)D + n] Sn(x) = 0 Hermite 母関数表示 ∑[n=0; ∞] t^n/n! Hn(x) = exp(-t^2 + 2tx) Hn = (-1)^n exp(x^2) D^nexp(-x^2) = 2^nx^n + … 重みexp(-x^2)、区間[-∞, ∞]で 規格化定数 N_n = n!2^n sqrt(π) 漸化式 H_{n+1} = 2xH_n - 2nH_{n-1} DH_n = 2nH_{n-1} LaguerreL(ラゲール陪関数) 以下のmについて、m=0 とするとラゲール多項式である。 母関数表示 ∑[n=0; ∞] L_n^m(x) y^{n-m}/n! = (-1)^m/(1-y)^{m+1} exp(-xy/(1-y)) 漸化式 (1 - m/(n+1))L_{n+1}^m(x) + (x-m-2n-1)L_n^m(x) + n^2L_{n-1}^m(x) = 0 (xD - n + m)L_n^m = -n^2L_{n-1}^m Laguerreのロドリゲス Ln(x) = 1/n! exp(x) D^n(x^n exp(-x)) 以上。

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