11/21電場
電場 r離れた二点に荷電q1とq2を置く。qは正も負も取りうる。 二つの荷電には斥力F = (1/4/π/ε0)q1q2/r2
が働く。Fが負の時には引力と言う。 面素片dS→を電束密度D→= ε0E→が貫いてる時、 表面S全体の電束は Φ = ΣεE→・dS→→ ε0 ∫E→・dS→ dSは表面の微少量を表すがその面に法線方向を持たせたベクトルを考えていて Eとの内積を取ることで、表面を垂直に貫く電束だけを考えている。 step1 中心に電荷qのある球の表面を貫く電束Φ = ε0 ∫(1/4/π/ε0・q/r2)・4πr2 = q
step2 任意の閉曲面、但し凸図形の表面を貫く電束 その内側の球の表面を貫くものが全てこの閉曲面の表面を貫くので、 先ほどと同じ。Φ = q
step3 では凹曲面ではどうか。 出てって入ってまた出る電束があるだろう。 しかし出てって入りっぱなしということはない。つまり正味、一回 貫くだけと同じでコレもやはりΦ = q
step4 その任意閉曲面の中に複数の電荷がある場合はどうか。 重ね合わせが成り立つ。つまり、Φ = ε0∫EdS = Σqi
∫E・dSは∫div(E)dVと書き換えられる。 また電荷はその位置での((微小)体積)あたりの電荷密度ρ(x)を用いれば 閉曲面内部の電荷: q = ∫Vρ(x)dx、つまり∫ρdV。ε0∫div(E)dV = ∫ρdV
であるわけだが、この被積分関数は一致する。それはV→+0を考えれば 明らかだ。ε0div(E) = ρ
以上がガウスの法則。 運動している電荷 その表面Sの中で電荷が動いてる限り、つまり入ったり出たりしない限り、 先ほどと同じくQ = ε0∫E・dS
またS自体がS'に移っても、中の電荷の合計が変わらなければS'表面全体 のΦは変わらない。 座標系K'で、y'軸に垂直な二つの面(この二つの面は当然平行である)に 一方には+σ、他方には-σの電荷面密度を分布させる。 すると二つの面の間ではy'軸に並行な電場Eyが生じるが、先ほどの ガウスの法則からEy = σ/ε
// +σと-σがそれぞれ作る電場の重ね合わせ(代数和)である 今、K'がx方向に一定速度vで動いて見えるK系から電場を見ると、 電荷密度σはローレンツ短縮されて σ0 = γσ に見える。γはγ = (1-β2)-1/2
であり、β=v/c である。 故に、1 ≤ γ < ∞ であるというコトはイメージに役立つ。 ローレンツ短縮のちゃんとした計算は./via122.html を参考にするとして、 とにかくx方向にβで動くとそのx成分の長さや速度が1/γに観測される ということ。今の場合、電束のx方向の間隔が1/γになる。x方向以外は そのままである。だから面密度はγ倍になるだろう。 そして Ey0 = γEy として観測される。 K'がz方向に運動しても同じようにローレンツ短縮がなされるが、 y方向の時は短縮されずEy0 = Ey である。 一定速度vで動く電荷Qはどのような電場を作るか。 xy平面上で考えよう。v方向にxを取り、座標系K上を電荷Qが動いている。 その電荷の静止系K'においては、電荷Qが静止している。 その電荷からの位置(r, θ)~(x', y')における電場はEx' = Q/4/π/ε・cosθ/r2 = Q/4/π/ε・x'/r3 Ey' = Q/4/π/ε・y'/r3
これをKから見る。つまりローレンツ逆変換するとEx以外はローレンツ短縮する Ex = Ex' Ey = γEy'↑この画像の右下の行列間違ってる。3,3成分はγのはず。 またx', y'もx, yで表そう。 Lorentz transは
ct' = γct - γβx x' = -γβct + γx y' = y
であった。 t = 0 の時、x' = γx y' = y
である。 t=0 の時、Ex = Ex' = Q/4/π/ε・x'/r3 = γ・ Q/4/π/ε・x/r3 Ey = γEy' = γ・Q/4/π/ε・y'/r3 = γ・ Q/4/π/ε・y/r3
と同じものが得られる。 ただしrはQからの位置であるからr = ((γx)2 + y2)1/2
である。 // これはt=0の時の式。 // 実際、x' = -γβct + γx であるから // tが大きくなるにつれてEx,Eyは小さくなるハズ。E2 = Ex2 + Ey2 = γ2・(Q/4/π/ε)2(x2+y2)/r6 = (Q/4/π/ε)2・(x2+y2)/[γ4(x2+y2/γ2)] = ( )2・(1-β2)2 / (x2+y2)2 / (1-β2y2/(x2+y2))3 故に E = Q/4/π/ε・(1-β-2)/r2/(1-β2sin2θ)3/2 ; sinθ = y/sqrt(x2+y2)
電気力線のローレンツ短縮 x軸上を-∞の方から速度vで電荷Qを走らせる。 Qからは四方に電束が発せられるが、y,z方向にはローレンツ短縮によって 静止系での電場よりも強い電場Eが発せられる。yz方向に密な電気力線が 描かれる。 そしてx=0に到った瞬間にQを止める。この時の時刻をt=0としよう。 そのQからは四方に均一な電気力線になる。 しかしその電場は光の速度でしか伝わらない。 だからQが存在するx=0を中心に半径ctの球の外、r=ct+aでは x=-a/c にあった時の yz方向に密な電気力線が描かれ、その球の中では四方に均一な電気力線が 描かれる。電場という「情報」は光の速さでしか伝わらない。 ct以上遠くでは未だに電気力線は圧縮してると思ってる。 電気力線は途切れず連続である。 だから実際には半径ctの球の面を電気力線が這うことで球の外に出ていく ように描かれる。 +Qがx<0から、-Qがx>0から走ってt=0にx=0で二つは止まったとする。 その時電荷はゼロで、ctの球の内部は電場ゼロだ。 しかし外ではx=+0の-Qによる縦に圧縮された電気力線が球に入り込む方向に 走り、球の表面を這って、x=-0の+Qによる縦に圧縮された電気力線として 球の外に出る方向に走る。 --- 12/5 では、どのように球面上を電気力線が這うのか。 さっきの例を考える。つまり、 +Qがx<0から走ってきてt=0にx=0に止まった。 t>0において 原点OにあるQからx方向に走る電気力線は半径ctの外でもそのまままっすぐ 進んでいるだろう。だってこっち方向にはローレンツ短縮なされていないから。 原点OにあるQからx軸と角θを成す方向に進んだ電気力線が、球面を這って 角φの方向に進んだとする。 球の内部においては角[0, θ]区間の孤をx軸で回転させてできる面を 貫く電束と、 球の外部においては角[0, φ]区間の孤が回転して描く面を貫く電束の量 が等しいハズである。実際に計算してみる。
∫[0, θ] E・2πr2sinθdθ = ∫( Q/4/π/ε/r2) 2πr2sinθdθ = Q/2/ε(1-cosθ)
∫[0, φ] (E = Q/4/π/ε・[γ2r2(1-β2sin2φ)3/2]-1 2πr2sinφdφ = (Q/2/ε) ∫(1-β2)/(1-β2sin2φ)3/2 sinφdφ = (Q/2/ε) [1 - cosφ[1 - β2sin2φ]-1/2]
二つを比較すると tanφ = γtanθ を得る。 0≤θ≤πならば、θ≤φ(≤π)である。 チカラのLorentz trans 運動量P→¨に対してチカラはその時間当たり変化量dP/dt で表される。 // 但しこれらは三次元ベクトルである。 静止系Kから見て一定速度vでx方向に進む系K'がある。 Lorentz transによるとdt = γ(dt' + βdx') = γ(1 + β・dx'/dt')dt'
β = v/c であるが、β' = dx'/dt' とおくとdt = γ(1+ββ')dt'
です。 運動量(P = [E/c; P], c=1)も全く同様にローレンツ変換を受けてdPx = γ(dPx' + β/c・dE') = γ(1 + β/c・dE'/dPx')dPx'
dE'/dPx'は(E/c)2 - P2 = (Mc)2
よりdE'/dPx' = cPx'/E' = c・(v'/c) = v' = dx'/dt' = β'
これをさっきのに代入してdPx = γ(1 + ββ')dPx'
と、時間と同じように表される。 そしてこれらからdPx/dt = dPx'/dt'
しかしy方向はそのままでdPy = dPy'
であるのでdPy/dt = 1/γ/(1+ββ')・dPy'/dt'
である。 K'において静止して、つまりKから見てvで動く粒子はβ'=0なのでdPy/dt = γ-1・dPy'/dt'
である。 電場のLorentz変換のまとめ +| |- +| q。→v |- +| |- x方向の電場E ↓ +| . |- +| q。 |- x方向に相対的に見ればqは静止し、そして電荷密度は変化しない +| |- 故に電場も変化しない E' = E dP/dt = qE = qE' = dP'/dt' +| |- +| q。 |- 一方y方向に相対的に見るとqは斜めに移動してる +| ↘ |- また、電荷密度はそれが静止してる時よりも高いだろう E' = γE dP'/dt' = γdP/dt 電流間の磁気相互作用 K系のx軸に沿った、+x方向に流れる直線電流を考える。 +x方向に速度v0でプラス電荷が走っている、と考えると、また同時に マイナス電荷は速度v0で、-x方向に走っていることになる。 どちらも線電荷密度は一様にλとしてよいだろう。 x方向にvで動いている系K' でこれを観察すると、 プラス電荷はv+ = (v0 - v) / (1 - v0・v/c2) β+ = (β0 - β) / (1 - β0・β)
で動いてることになる。 // 速度の合成。v/c→0で(v0-v) // β = v/c ...相対速度 同様に、マイナス電荷は-x方向にv- = (v0 + v) / (1 + v0・v/c2) β- = (β0 + β) / (1 + β0・β)
としてそれぞれ観測され、しかも電荷線密度はローレンツ短縮によって 変わって見える。 電荷が静止している時の線密度λ0を基準に考えると分かりやすい。 線密度はγに比例して、速度が増すにつれて増加する。γ = 1/sqrt(1-β2)
であり、Kのλについてλ = γ0・λ0
であるから、λ0が分かる。 これを用いてλ+ = γ+・λ0 γ+/γ0・λ λ- = γ-/γ0・λ
だから結果的に、x軸には単位長さ辺り、Q' = λ+' - λ-' = λ/γ0 (γ+ - γ-)
という電荷が存在することになる このQ'と、x軸からのキョリrに依存して電場E' = (1/2/π/ε0/r)Q' = (1/2/π/ε0/r) λ/γ0 (γ+ - γ-)
が生じる では次にQの中の(γ+ - γ-)を計算しよう。γ+ - γ- = (1-β+2)-1/2 - (1-β-2)-1/2
&betal;+ = (β0 - β) / (1 - β0β)
こんなんを代入するとγ+ - γ- = -2β0βγ0γ
となってこれを代入すればE' = (1/2/π/ε0/r) λ/γ0 (-2β0βγ0γ) = -(λ/π/ε0) (β0βγ/r) ∴ F' = qE' ∴ F = γ-1F' = (q/γ)E' = - (qλβ0β) / (πε0r) = - (qv/ε0/c2)*(2λv0 /2/π/r)
最後に分母分子に2を乗じたが (2λv0)は電流Iを表す。 そしてμ0 I/(2πr) ; μ0 = (ε0c2)-1
これは電場Bを表す。 力Fはローレンツ短縮によってガンマ倍に増幅するがγ > 1
であるから、正負は変化しない。 反対方向に平行に流れる二本の電流を考える。 電流に沿った方向に相対的に見た系で考えれば、一方は+が強くなり一方はーが強くなることから 2つは反斥力を受ける。もとの系でも同じ向きの力を受けていたコトが分かる。 磁場 電荷が他の電荷による電流と平行に動く時に、それは運動の速度と垂直な方向に 力を受ける。以下のように電場と磁場を定義しよう。E(x) : 点xにある単位電荷に働く力 B(x) : 点xで運動する単位電荷に働く力の速度に比例する係数
即ち、F(x) = q(E(x) + v×B(x))
E, Bはローレンツ変換によって変化し、B=0となるような系は存在するが EとBの間には依存性がある。 水平に走る電流に向かって縦に運動する電荷を考える。これをK系とする。下図左上である。 これは相対的に見ると 水平に走る電流が下に静止している電荷に向かって真下に運動している。これをK'系とする。下図右上である。Kでは、同じように(-)による電場と(+)による電場を受けるので正味ゼロ。つまり E = 0 . K'では、静止しているのでB = 0. そして(-)と(+)はそれぞれの斜め方向に運動し、そしてその時のローレンツ短縮によって 電場は圧縮されており、それを考慮して電荷qに届く電場を考えると、電荷には真左方向の 電場を受けることになる。 よって左方向に力を受けている。 K系の上でもqは左方向の力を受けていたコトになり、それこそがローレンツ力である。 その値は先程計算した
F = qv・2λv0 / (2πε0c2r) = qvI / (2πε0c2r)
である。 --- 12/12 ローレンツ力 並行してまっすぐ流れる電流I1とI2について。 I1が作る磁場を、B1とし、電流I2の線電荷をλ2とするとI2の微小長さΔz辺りの電荷はq2 = λ2Δz
これを用いてローレンツ力はΔF = q2v2×B1 = q2v2(μ0I1)/(2πr) = λ2v2(μ0I1)/(2πr)Δz = I1I2(μ0/2/π/r)Δz
即ち、長さあたりに受ける力はf = ΔF/Δz = (μ0/2/π/r) I1I2 [N/m]
Bの単位は[T(テスラ)] また、1[T] = 1e4[G(ガウス)] とする単位もある。 参考の値として地磁気 … 5e-5[T] 鉄心電磁石 … 1[T] 程度 超電導磁石 … 10[T] 程度 CERNのproton collider … 8.3[T] 太陽の黒点 … 0.05[T] // 0.1[T]の表面磁気を持つ星もある 銀河の星間磁気 … 1e-9[T] // でも大きさが大きさなので気を抜いたら取り込まれる(トラックされる)
//memo rotgrad=0, divrot=0
磁場の満たす式
(1) Lorentz Force はF = q・v×B
(2) 静磁場では、 磁場はrot(B) = μ0J ;JはIの密度。断面積Sで割ったもの
によって求められる。 // 磁場は電流が作るものだと考える。 中に電流を含まない経路で一周積分した磁場 ∮Bdx はゼロである。 それは、 電流の点を中心に角[θ0, θ1]で半径R1の扇から角が同じで半径R2の扇を引き算した 図形の周りを沿う経路を考える。B = μ0 I/(2πr)
を用いて∫B dx = ∫ μ0 I/(2π) dθ
となるから結局角度の範囲だけに依存し、 先の経路では2つの弧での積分値は打ち消し合う。 結局積分値はゼロになる。 中に電流Iを含むと∮conint; B dx = μ0I
でこれも一周する角度即ち2πのみに依存し、半径Rには依存しない。 (3)div(B) = 0
rot(B) = μJ div(B) = 0
に対する解として、B = B1, B2
という2つがあったとしてB* = B1 - B2
という差を考えるとrot(B*) = 0 div(B*) = 0 ---(*)
B*方向にz軸と取ればB* = (0, 0, B*)
と置けて (*)の2つの式より、B*が定数であることが分かる。 解が2つ以上あるならば、任意の2つの差は定数である。 ということは3つ以上あったら、2つ以上は値が一致するので実際は2つか1つしかない。 vektor potentialdiv(B) = 0
であった。 また数学的に、任意のベクトルAに対してdiv(rot(A)) = 0
である。この二つから∀B, ∃A : rot(A) = B
磁場Bに対してこのようなAをベクトルポテンシャルという。 但しAは一意ではないので注意。rot(B) = μJ ⇔ rot(rot(A)) = μJ
この最後の式の両辺のx成分を見ると∂y(rot(A))z - ∂z(rot(A))y = μJx ⇔ ∂y(∂xAy - ∂yAx) - ∂z(∂zAx - ∂xAz) = μJx ⇔ - (∂x2 + ∂y2 + ∂z2)Ax + ∂x(∂xAx + ∂yAy + ∂zAz) = μJx
y,z成分も対称性から大体分かるだろう。 ∴ μJ = -∇2A + grad(divA) ( = -div(grad A) + grad(divA) ) さっきも言ったようにAは不定である。A' = A + grad(χ)
としよう。χはx,y,zについての関数。rot(A') = rot(A) + rot(grad(χ)) = rot(A)
となるから、A'もベクトルポテンシャルとして成り立つ。 このようなA → A' = A + rotχ
という変換をゲージ変換という。div(A) = 0
とあるようなAに変換することを「クーロンゲージ」とゆう。然るべきχを用いればちゃぁんとクーロンゲージを「取れる」。先ほどdiv(A') = div(A) + div(gradχ) = 0 ⇔ ∇2χ = -divA = -f
これを解くコトになる。μJ = -∇2A + grad(div(A))
であったが、クーロンゲージを用いると∇2A = -μ0J
を得る。 さてさてdiv(E) = ρ/ε E = -grad(φ)
である。φは電場Eに対してのポテンシャルである。 そしてこの2式からdiv(gradφ) = -ρ/ε ⇔ ∇2φ = -ρ/ε
これに対してφ = (1/4/π/ε) ∫ρ/x dV
と定められた。 同様に∇2A = -μJ
に対してはA = (μ/4/π) ∫J/x dV
と定めることができるだろう。 ビオ・サバールの法則 任意の形で流れる電流が作る磁場を考えよう。 クーロンゲージを取る。 点x1でのAはA(x1) = (μ0/4/π) ∫J\/{(x)}/|x1-x| dV
dVは電流の経路にそったdL掛ける断面積Sでよいだろう。また I = JS である。 さて、Iがその経路において定数であるとするならば、このように計算できる。 A(x1) = (μ/4/π)I ∫ dL/|x1-x| dLをx方向に置いて、x1を減点に置いてdL = (dL, 0, 0) |x1-x| = sqrt(x2+y2)
からdA = (μ/4/π)I dL/sqrt(x2+y2) ∴ dB = rot(dA) = [0, 0, -∂y(dA)z (dB)z = (μ/4/π)Iy dL (x2+y2)-3/2
dLと|x1-x|の成す角をφとすれば、
y/sqrt(x2+y2) = sinφ
で、これを代入すればdB = [0, 0, (μ0/4/π)IdL・sinφ/(x2+y2)]
全方向に考えればdB = (μ/4/π) I dL×r/r3
これをビオ・サバールの法則という。 --- 12/19 静電磁気学のまとめ 静電場。 閉回路を廻る電流I = qv
∮conint;E dx = 0 ⇒ rot(E) = 0 (stroke)
数学的にrot(gradφ) = 0 だからE = -gradφ ---(1)
なるφが存在してまさしく電位であるガウス: ∫E dS = Q/ε ⇒ div(E) = ρ/ε ---(2)
(1), (2)から∇2 φ = -ρ/ε ---(3)
φ(x) = 1/(4πε0) ∫全空間 ρ(x')/|x'-x| dx'
xにおける電位を求めるには、全空間における電荷分布をしる必要があるのだ。 静磁場。div B = 0
これはmagnetic monopoleが存在しないことを言う。∫ B dx = μI = μ∫J dS ⇒ rot(B) = μJ ∴ rot(rot A) = μJ ⇔ -∇2A + grad(div A) = μJ
div(A) = 0 となるクーロンゲージを取ると∇2A = -μJ
電位と同様に A(x) = μ0/(4π) ∫全空間 J(x') / |x - x'| dx' ビオサバールを一周積分 ベクトルポテンシャルは基本的にクーロンゲージを取ることにする。 点x1でのベクトルポテンシャルA(x1)はA(x1) = μ/(4π) ∫V J(x)/|x1-x| dV = μ/(4π) ∫∫∫ J(x)/|x1-x| (dx)3
この積分するxは全空間であるが、電流が一周するCの他に置いてはJ=0なので、 その一周に沿った積分だけを考えよう。 (dx)3は経路に沿ったdLと断面Sを掛けたものとして、さらにSは微小であるだろう から、同じdLにおいてSの中でJは定数だと仮定する。即ち、次のように書く。A(x1) = μ/(4π) ∫C I/|x1-x| dL
Cをxy平面において、dLをx方向になるように回転して置いて、 点xを原点にして r = x1 - x = (x, y) とする。dA = μ/(4π) I / sqrt(x2+y2) dL ; dL = (dLx, 0, 0) dA = (dAx, 0, 0)
dB = rot(dA) よりdBx = ∂y dAz - ∂z dAy = 0 dBy = ... = ∂z dAx = 0 (dAxはx,yのみに依存) dBz = ... = -∂y dAx = μ/(4π)I ydL (x2+y2)-3/2 = μ/(4π)I sinφ/r2 dL = μ/(4π)I |dL×r|/r3 ∴ B(x1) = μ0I/(4π) ∫C dL×r / r3
電磁場のローレンツ変換 xyz空間において y=0平面に厚さΔy~0の平面導体を置いてx方向に平行な一様の電流Iを流す。I = JΔyΔz
と表せるが Δyは定数なのでj = JΔy [A/m]
と置いて、jが電流を表す。 電流j[A/m]は電荷密度σ[C/m]が速度v0[m/s]で走っているものと考えよう。j = σ・v0 -j = (-σ)・v0
σが走ってる方の導体が作る電場は長さあたりでEy = σ/ε0
長さあたりの磁場はBz = μj = μ0v0σ = μ0β0cσ
x方向にvで動く系でコレを見よう。 速度は次のように合成される。v0' = c・(β0 - β) / (1 - β0β) ( ~ (v0 - v)) γ0' = [1 - (v0'/c)2]-1/2 = (1 - β0β) / sqrt[(1-β02) (1-β2)] = γ0γ(1 - β0β)
また電荷密度σもローレンツ変換を受ける。 そもそも静止してた時の電荷密度 σ0 を仲介してσ = γ0 σ0 σ' = γ0' σ0 ∴ σ' = γ0'/γ0 σ
んで結局Eは次のように変換される。Ey' = σ'/ε0 = σ/ε0 γ(1-β0β) = γ(Ey - βcBz)
また電流、磁場もj' = σ'v0' = σγc(β0 - β) Bz' = μ0j' = γ(Bz - βEx/c)
コイルのローレンツ変換 x軸の周りに長さL0でN巻のコイルを考える。 x方向にvで動いてるとするとコイルの長さもローレンツ短縮を受けてL = 1/γ L0
また電流もローレンツ短縮を受けてI = γ I0
コイルの内部ではx方向に磁場を発生させてB0 = N/L0 I0 = N/(γL) (I/γ) = N/L I = B
結果的にローレンツ短縮の影響を受けない。 まとめるとE = (Ex, Ey, Ez) B = (Bx, By, Bz)
これをx方向にvで動く系から見たローレンツ変換をするとEx' = Ex Ey' = γ(Ey - βcBz) Ez' = γ(Ez + βcBy)
Bx' = Bx By' = γ(By + βEz/c) Bz' = γ(Bz - βEy/c)
ローレンツ力dP/dt = F = q(E + v×B) = [ qEx + q(vyBz - vzBy); qEy + q(vzBx - vxBz); qEz + q(vxBy - vyBx) ]
相対論的に記述する。d/dt = c・d/dx0 = c・dτ/dx0・d/dτ = c/u0 d/dτ vx = dx1/dt = c/u0 dx1/dτ = c・u1/u0 ; uiは四元速度
これを用いてdP1/dτ = u0/c・dP1/dt = qEx/c u0 + q(u2Bz - u3By)
などとなる。 但しP0はP0 = sqrt(p2 + m2c2); p = [P1; P2; P3]
と、P1, P2, P3に依存してdP0/dτ = ∑[i = 1,2,3] ∂P0/∂Pi ∂Pi/∂τ = ∑ Pi/P0 ∂Pi/∂τ
∂Pi/∂τには先程のを代入するとdP0/dτ = -q (Ex/c u1 + Ey/c u2 + Ez/c u3)
これだけが残る。 --- 1/10 まとめると(d/dτ)[P0; P1; P2; P3] = q・ [ [0, -Ex/c, -Ey/c, -Ez/c]; [Ex/c, 0, -Bz, By]; [Ey/c, Bz, 0, -Bx]; [Ez/c, -By, Bx, 0]; ]・ [u0; u1; u2; u3]
例えば K系でB = 0
である時、Kから見てx方向にvで動くK'ではEx' = Ex Ey' = γEy Ez' = γEz Bx' = 0 By' = γ v/c2 Ex Bz' = -γ v/c2 Ey
これは次のように表せるfor v' = (-v, 0, 0) B' = (v'/c2)×E'
逆にKでE = 0
とするとEx' = 0 Ey' = -γvBz Ez' = γvBz Bx' = Bx By' = γBy Bz' = γBz
したがってこう表せるfor v' = (-v, 0, 0) E = -v×B'
電磁誘導とマクスウェル方程式 ファラデーの1820位の発見によると、磁気的作用が電気的作用を誘発する。 電磁誘導の基礎 xyz空間でy方向に一様な磁場Bを作る。 z軸に沿った細長い導体をx方向にvで動かす時、導体中の電荷qにはローレンツ力Fz = qvB
というz方向の力が発生する。 マイナス電荷は-z方向に移動して、導体の中で-z方向の電場が発生して、 その内にローレンツ力と釣り合うようになる。すごいね。 次に導体を長方形みたいなループ状にする。xz平面に水平に、即ち磁場に垂直に 保って、それをx方向にvで動かす。 Bが一様である時、先と同じようにローレンツ力が内部で発生する。 ループに沿ってFを積分して仕事を考えると∮F dx = 0
即ち、磁場は仕事をしないと読める。 z方向と-z方向で二辺が打ち消し合うので当然だ。 (ſ´・ェ・`)ſ ではBを不均一にしよう。 ループの片方の辺ではB1でもう他方の辺ではB2だとしよう。∮F dx = qv(B1 - B2)Δz
Δzはその辺の長さとして。プラスマイナスは、まあ、都合が良いように。∴ ∮E dx = v(B1 - B2)Δz … 単位電荷辺りの仕事
導体が静止して見える系にローレンツ変換する。 B1,B2が当たってた辺における電場が生じてE1' = v・B1' E2' = v・B2'
んでこれを一周積分すると∮ = (E1' - E2')Δz = vγ(B1 - B2) Δz
// ローレンツ変換では // 力はγ倍になって // yz方向にキョリは等倍 磁束(magnetic flux) 磁束を次のように定義する。Φ ≡ ∫S B dS ;BもdSもベクトル
今適当な閉曲線Cと、それを辺とする2つの面、S1とS2を考える。 div(B) = 0 であるから、∫S1 B dS + ∫S2 B dS = 0
S2には磁場Bが「入り込む」と考える。つまりS2→-S2を考えて ∫S1B dS - ∫-S2B dS' = 0 今、ループCが時間的にvΔt だけ動く。Φ(t) = ∫S B dS Φ(t+Δt) = ∫S' B dS' ~ ∫S B dS + ∫ΔS B dS ; ΔS = S' - S = Φ(t) + ∮C B・(v×dx)Δ; v×dx はCが動いて出来た側面積 ∴ dΦ/dt = ∮C B(v×dx) = ∮B×v dx = - ∮ v×B dx
v×Bは電場E、それにキョリを掛けたものは電位を表す。そこでV ≡ ∮C E dx
これを誘導起電力という。 // ホントはVじゃなくて大文字エプシロンにしたいんだけどそれだと電場Eと区別がつかなくて困る また一方Φ(t) = ∫S B(t, x) dS ⇒ dΦ/dt = ∫S ∂B/∂t dS
であるからV = -dΦ/dt = - ∫S ∂B/∂t dS
V = ∮C v×B dx
と比較してやるとrot(E) = -∂B/∂t
を得る。 このマイナス方向がレンツの法則であり、エネルギ保存を意味している。 渦電流 (eddy current) -∂B/∂tによって逆の電場が生じ、そして電流が生じる。 まーるい金属板に、面に垂直に一様な磁場を掛ける。rot(E) = -∂B/∂t
金属板を大体半径rの円だとでもして、その円周を考えると(2πr)E = -(πr2)∂B/∂t
例えばB(t) = B0 cos(ωt)
これを磁場とすると|E| = |-r/2 ∂B/∂t| = ωr/2 B0/sqrt(2)
これに金属の伝導率を掛けると仕事になる。 これがIHヒーターの原理。 相互誘導と自己誘導 二つのループC1, C2にそれぞれ電流I1, I2が流れているとする。 I1が作る電場がC2を貫く磁場はΦ21 = ∫S2 B1 dS = M21I1
何か適当な係数M21を用いてこのように表せるだろう。つまり 単に電流I1に正比例する値であろう。 誘導起電力はV21 = -dΦ21/dt = -M21 dI1/dt
逆にI2によるC1に誘導させる起電力はV12 = -M12 dI2/dt
となる。 ベクトルポテンシャルを用いてもっと解析するとΦ21 = ∫S2 B1 dS = ∫S2 rot(A21) dS = ∮C2 A21 dx
これにA21 = ∮C1 μI1 / (4πr12) dx
を代入してΦ21 = μ/(4π)I1・∮C1∮C2 dx1/r12 dx2/r21
即ち、右辺のI1の係数がM21であるが、これは1についてと2についての対称式である。 よって次の相反性定理を得る。M12 = M21
このMという値を具体的に計算してみる。 例えば同一面上の同心円C1, C2とする。その半径をR1, R2、R1 >> R2 とする。 C1を流れるI1が作る磁場はアンペール曰くB1 = μ/(4π) ∮C1 I1 r×dL / r3
C2から見るC1はほとんど円の中心だとするとB1 = μ/(4π) I1 R1/R13 (2πR1) = μI1 / (2R1) ∴ Φ21 = (πR22) B1 = πμR22 /2/R1 I1 ∴ M21 = πμR22 /2/R1
自己誘導 自分で作った磁束に対する誘導起電力はV = - dΦ/dt = -L dI/dt
磁束は適当な係数Lを用いてIに正比例する値として表せるだろう。 相互誘導と基本は同じ。 具体的にLを計算できるかな。 高さh、底が半径bの円の円柱から同心円で半径aの円柱を繰り抜いたバウムクーヘン型 に電流IがN巻する。 a < r < b の半径rの円周を貫く磁場BはμNI = 2πrB ∴ B = μNI / (2πr)
と求まる。 一つのループを貫く磁場はΦ = h・∫[a, b] B dr = μNhI / (2π) ln(b/a)
全体の磁場はこれのN倍。V = -d(NΦ)/dt = -[μ0 N2 h/2/π ln(b/a)]・dI/dt
このdI/dtの比例係数のマイナスが自己インダクタンスLである。N2に比例なの。 変位誘導 電荷の保存とは次のように書ける。div(J) = - ∂ρ/∂t
定常電流ではrot(B) = μ0J
また数学的に、任意のベクトルBに対してdiv(rot(B)) = 0
であるが、実際に磁場Bを代入してみるとdiv(J) = 0 ∴ ∂ρ/∂t = 0
即ち、rot(B) = μ0J
は電荷が時間について一定であることを帰結する。 ということは、電荷が一定ではない時、この式は成立しない。 もちろん、電荷が一定ではないという状況は容易に起こりうる。 --- 1/16 例としてコンデンサを考える。コンデンサ付け根の電線をぐるっと 巻くループCの周りで周回積分した磁場は∮C B dx = ∫S rot(B) dS = μ0 I
と書いた。SはCを辺とする面。まっすぐに電線を横切るような 面を考えても良いが、コンデンサならば板一枚だけを包むような 面を考えることができる。そのような面S'を電流は貫いていない。 即ちI = 0
であり、rot(B) = 0
となる。電流が途切れていても実際には電線を電流は流れるコトが できる。積分する面によって磁場が異なることになってしまう。 だからrot(B) = μ0J
これは一般には成り立たないのである。では、rot(B) = μ0K
としよう。Kは何か然るべきベクトルである。以下を満たさねばならぬ。A) div(K) = 0 (∵ div(rot(B)) = 0) B) div(J) = 0 ⇒ K = J (電流一定なら、初めの式と一致すること)
ガウスの法則からρ/ε = div(E) ∂ρ/∂t = εdiv(∂E/∂t)
電荷の保存はdiv(J) + ∂ρ/∂t = 0
この二つを使うとdiv(J + ε ∂E/∂t) = 0
そこで、K = J + ε ∂E/∂t
と作ったKは、(A), (B)の二つをいたしている。 改めてこんな式を得る。rot(B) = μ0 ( J + ε0 ∂E/∂t )
ε0∂E/∂t これを変位電流密度(displacement current density) Jdと言う。 JdはJを連続させるものだと考えられる。 Maxwell方程式 今までのをまとめると次の4つ。 1. Gauss's law∫S E dS = Q/ε ⇔ div(E) = ρ/ε
2. 磁場は湧き出さない。(磁荷は存在しない)∫B dS = 0 ⇔ div(B) = 0
3. 電磁誘導∮C E dx = - dφ/dt ⇔ rot(E) = - ∂B/∂t
4. 伝導電流と変位電流が磁場を生成する∮C B dx = μ(I + Id) ; Id = ∫ Jd dS ⇔ rot(B) = μ(J + Jd) ; Jd = ε∂E/∂t
真空中ではεμ = 1/c2 μ = 4πe-7 [NA-1] ke = [4πε]-1 = μc2 / (4π) = 9e9 [F-1m-1] c = 3e8 [m/s]
準静的過程 マクスウェル方程式はマクロな現象ならば、全てに対応できる。 電荷密度、電流密度が時間的にゆっくりと変化する電磁場を考える。 この時、電磁波の伝播速度は無限大だと考えられる。 例えば、50Hzの送電線の波長はλ = c/ν = 6e6 [m]
家電で使う電磁波、マイクロウェーブなんかは 0.3[m] 。 こういう時、準静的過程だと考えられる。 そしてこういう時、電場はE = Ec + Ei ; Ec : クーロン場が作る電場 ; Ei : 誘電が作る電場
と二つの和で表せる。 電位は∫ Ec dx
で定義する。 例えば、鉄で作った輪に二つ電線を巻いてコイルを二つ作る。 一方に交流電流を流すと、鉄を伝って ∂Φ/∂t がもう一方のコイルに 流れて誘導起電力が生じる。A→L→Bという電線の電流密度をJ、抵抗をρとすると
E = ρJ
誘導電圧はV = dΦ/dt = ∫ Ei dx
んでもってρJ = E = Ei + Ec
だから、ABの電位差は∫ Ec dx = ∫ρJ dx + dΦ/dt
電線の抵抗ρをゼロとすれば、電位差はただの誘導起電力になる。 上の絵のように抵抗Rをつなげると∮E dx = RI ∴ RI = dΦ/dt
変位電流の大きさ 電流はJ = σE;σは伝導率
に対して変位電流とはJd = ε0 ∂E/∂t
E(t) = E0・exp(iωt)
の下で二つの電流を比較してみると|Jd| / |J| = ε/σ ω
紫外線ならω~1e18 [Hz] σ~1e8 [1/Ω/m] ε0~8.85e-12 [F/m] εr~10
くらいとして|Jd| / |J| << 1
普通、Jdはとても小さい。 静電磁気学のまとめ ガウスの法則div E = ρ/ε0
場の力F = q(E + v×B)
クーロン力F(x) = (4πε0)-1 q1q2 / |r12|3 r12
rot E = - ∂B/∂t E = -gradΦ - ∂A/∂t
E(x) = (4πε0)-1 ∫ ρ(x) / |r12|3 r12 dV
div B = 0 rot B = μ0 ( J + ε0 ∂E/∂t )
B(x) = μ0 ∫ J(x)×r12 / |r12|3 dV
φ(t, x1) = 1/4/π/ε0 ∫ ρ(t', x2) / r12 dV2 A(t, x1) = μ0/4/π ∫ J(t', x2) / r12 dV2 ; t' = t - |r12|/c
それが伝播するタイミングでの電荷、電流のキョリ反比例を積分して電位及び ベクトルポテンシャルは求まる。この2つを遅延ポテンシャルという。 交流電流 電流、電圧をフーリエ展開しか一つの成分について考えればいい。 つまり、電圧をV0・cos(ωt)としてそれに対して電圧はI0・cos(ωt+φ)とすればいい。 コイルインダクタンス 自己インダクタンスと相互インダクタンスの総和φi = ∑k Lik Ik
を用いて、コイルLiの電位差はVi = d/dt φi = ∑Lik dIk/dt
そのような抵抗して働く。 コンデンサI = d/dt (CV) = C dV/dt
LRC回路 交流電流にL,R,Cを直列させる。交流電圧VについてV = L dI/dt + RI + 1/C ∫I dt
が成り立つ。V = V0 exp(iωt) I = I0 exp[i(ωt+φ)]
とする, 電圧、電流として見えるのはその実部。V0 exp(iωt) = [ R + i(ωL - 1/ω/C) ]・I0 exp[ i(ωt + φ)]
全体の抵抗に相当するインピーダンスはZ = V0 / I0 = [R+i(ωL-1/ω/C)]・exp(iφ) ∴ |Z| = sqrt[ R2 + (ωL - 1/ω/C)2 ]
--- 1/23 それぞれのImpedanceはコイル … iωL コンデンサ … -i/ω/C 抵抗 … RI
とすればよい。 またZ = R + i(ωL - 1/ω/C)
に対して (ωL - 1/ω/C) をreactance Y = 1/Z をadmittance Re[Y] をcondanctance Im[Y] をsucceptance とゆう。 周波数ブリッジ こんな回路を考える。二つのコイルL1, L2を平行に置いて 相互インダクタンスをMとする。電源は交流電流で、その振動数をωとすると 二つの閉回路について、キルヒホッフの電圧則を用いて
V = iωL1I1 - iωMI2 - i/ω/C(I1 - I2) 0 = iωL2I2 - iωMI1 - i/ω/C(I2 - I1)
相互インダクタンスは同じ方向に電流が流れる時に正の抵抗として 働く。コイルの抵抗はiωL、コンデンサの抵抗は-i/ω/C(= 1/i/ω/C)。 一つのループの中で同じ方向に電流が流れるものとして考える。 さもなくば電流をマイナス倍にして向きを逆にする。 しかるべきωにするとI2 = 0 になるという。 代入して解いてみるとω = [MC]-1/2 Impedance: Z = V/I1 = i L1/sqrt(MC) - i sqrt(M/C)
実効値 電力Pとは電圧と電流の積P = EI = V0cos(ωt)・I0cos(ωt+φ) = |Z| I02 [cos(φ) + cos(2ωt+φ)]/2
時間について平均すればcos(2ωt+φ)
などはゼロになってしまうから結局ave(P) = |Z| I02 cosφ / 2 = 1/2 R I02 (Zの実部が抵抗のRであった)
直流電流ならば、「P = RI2」である。そのような電流Iは1/2 RI02 = RIave2 ∴ Iave = I0 / sqrt(2)
このIaveこそが交流電流における平均の電流に相当するものであり、「実効値」という。 同様にVave = V0 / sqrt(2)
これを電圧における実効値とする。 直列共振 RLC回路は前に解いたはず。 電源を角振動数ωの交流電流とする。 Impedance:Z = R + iX ;X = ωL - i/ω/C
に対してI = V/Z ∴ |I|2 = |V|2 / [ R2 + (ωL - 1/ω/C)2 ]
さて、最後の式の右辺の分母について、(ωL - 1/ω/C)2 = L/C (ω/ω0 - ω0/ω)2 ; ω0 = 1 / sqrt(CL)
角振動数ωがこのω0と一致する時、コレはゼロになって、実数の二乗だからゼロが最小。 そしてこの時|I|max = |V / R|
電流はピークを取る。 電磁場内の荷電粒子の運動 電場E、磁場Bが外から与えられている。 静止質量m, 電荷qの粒子のEOMはdP/dt = q(E + v×B)
Pは運動量で、非相対論的にはdP/dt = m dv/dt
でいいけれど、相対論的にはdP/dt = m d(γv)/dt ; γ = [1 - (v/c)]-1/2
とする必要があった。 相対論的に解ける問題はパターンが少ない。 一様な磁場dP/dt = q(v×B) = F
がEOM。F・v = q((v×B)・v) = 0
これはエネルギ保存を表す。 エネルギE = sqrt[ p2c2 + (mc2)2 ]
三元運動量はP = cβ/E
と表される。dP/dt = E/c2 dv/dt
磁場BをB = (0, 0, B)
となるように軸を取る。q(v×B) = q[vyB; -vxB; 0] ∴ dv/dt = (qc2B/E) [vy; -vx; 0]
(qc2B/E)をωとか置けばDvx = ωvy Dvy = -ωvx Dvz = 0
という微分方程式の連立がエられる。 3式目はvzが定数であることを言い、 一式目と弐式目はどっちかをどっちかに入れれば簡単に解けてvx = v0・cos(ωt + α) vy = -v0・sin(ωt + α)
こんな感じ。 磁場が降る方向には等速で、その垂直方向には円運動。 従って螺旋の動きになる。 円運動の半径はR = v0t/ω
回転方向の運動量はP = qBR
一様な静電場での運動 電場Eの方向にx軸を取れば、相対論的にDPx = qE DPy = 0
初期値として t = 0 の時に、Px = 0, Py = P0 とする。 その時時刻tに対してPx = qEt Py = P0
とカンタンに解ける。 エネルギはε = sqrt[ (mc2)2 + (pc)2 ] = sqrt[ (mc2)2 + [(qEt)2 + P02)]c2 ] = sqrt[ ε02 + (qEct)2 ] ; 但し初期エネルギ ; ε0 = sqrt[(mc2)2 + (P0c)2]
速度はv = c2/ε P
であるからvx = dx/dt = c2 Px/ε = c2qEt / sqrt[ε0 + (...)2] vy = c2P0 / sqrt[ε0 + (...)2]
さらに位置についての初期値としてt = 0 の時に x = y = 0 とする。x = ∫0t dt' c2qEt' / sqrt[ ε02 + (qEct')2 ] = ∫dt' ct' / sqrt[ (ε0/q/E/c)2 + t'2] = [c sqrt[ (ε0/q/E/c)2 + t'2] ]0t = (ε0/q/E) [sqrt(1 + (qEct/ε0)2 ) - 1]
と解けてしまう。 yについてもy = c2P0/q/E/c ∫0t dt' / sqrt[ (ε0/q/E/c)2 + t'2 ] u = sqrt[(...)2 + t'2] + t' と置いて置換積分できる。 du/dt' = t' / sqrt[(...)2 + t'2] + 1 = u / sqrt[(...)2 + t'2] y = c2P0/q/E/c ∫du/u = c2P0/q/E/c log[ sqrt[1 + (qEct/ε0)2 + qEct/ε0 ] * qEct/ε0 ] = c2P0/q/E/c sinh-1 (qEct/ε0)
と解けてしまう。 sinhとはsinh(x) = (ex - e-x)/2 = w, which is gt 0 when x gt 0 x = sinh-1 (w) = log[w + sqrt(w2 + 1)]
cosh2(x) = sinh2(x) + 1
を用いるとx = ε0/q/E [cosh(qEy/P0/c) - 1]
と表現できる。cosh(z) ~ 1 + z2/2 + O(z4)
として二次近似してやるとx ~ qE / (2mv02)y2 ; v0 = c2P02/ε0, ε0~mc2
と書ける。放物線になる。 一様な電磁場中の運動 磁場Bをz軸にとる。B = (0, 0, B) に対して電場をE = (0, Ey, Ez) としよう。dP/dt = q(E + v×B)
v << c の時、非相対論的にはmx" = qy'B my" = qEy - q×B mz" = qEz
これを解こう。 3つ目はカンタンに解けてz = qEy/(2m) t2 + vz0 t + z0
一つ目と2つ目は (一式目) + i・(ニ式目) を考えればまとめて解けてm(x" + iy") = qB(x' + iy') + iqEy
iqEyをうまく分配すればD(x' + iy' - qEy/m/ω) = -iω(y' - ix' - qEy/m/ω)
と出来る。ω = qB/m
となる。 そしたらカンタンにx' + iy' - qEy/m/ω = a・exp[-i(ωt + α)]
と解けて、実部と虚部を比較すればx' = a・cos(ωt + α) + Ey/B y' = -a・sin(ωt + α) ∴ x = a/ω sin(ωt + α) + Ey/B t + x0 y = a/ω cos(ωt + α) + y0
t = 0 の時の初期値として x = y = 0 とするとx = a/ω sin(ωt) + Ey/B t y = a/ω [cos(ωt) - 1]
aは積分定数であるが、その絶対値によって三パターンに 分けられて x,y平面での運動の軌跡は |a| < Ey/B ⇒ トロコイト |a| = ... ⇒ サイコロイド |a| > ... ⇒ なんか滑らかな波みたいな を描く。 電磁場エネルギ保存 エネルギ密度(Energy density) u エネルギ流出(Energy flow) Σ(ベクトル) を考える。 ある閉じた空間について, エネルギ保存を考えればd/dt ∫V u dV = - ∫ Σ dS
と書けるだろう。 Σの発散を取れば∂u/∂t = -divΣ
と書き改めることができる。 しかしコレはジュール熱、すなわち摩擦を考えていない。 1コの荷電はF = q(E + v×B)
という力を受けるからF・v = qEv
という仕事を単位時間あたりに受ける。 荷電がNコあれば、その総量は、∑Fi・vi = ∑qiEvi = (J・dV)E
である。ここで荷電量×速度イコール、電流イコール電流密度J×体積、である。 これも先の式に含めれば∂u/∂t + divΣ + JE = 0
としてエネルギ保存の式が完成した。 さて電流密度については次も成り立つ。J = 1/μ0 rot(B) - ε0 ∂E/∂t ∴ EJ = 1/μ0 E rot(B) + ε0E ∂E/∂t
さてさてdiv(E×B) = B(rotE) - E(rotB)
を用いればEJ = 1/μ0 [ -div(E×B) + B(rotE) ] - ε0E ∂E/∂t
そしてrot(E) = -∂B/∂t
だからEJ = -div(E/μ0 ×B) - ∂/∂t[ 1/(2μ0)B2 + ε0/2 E2]
但し∂/∂t E2 = 2E ∂/∂t E
に註意。 この右辺の、-div()の中身がΣ、-∂/∂t()の中身がuだ。 以上
コメ(0) | トラ(0)