intime o'

彼は農場なるものを定義し、描写し、説明し、陳述し、叙述しようと弁舌をふるった (「O・ヘンリー短編集(三)」より)
日記 2012/07/08(Sun.)
 キャンパスの中で赤い布切れを体に装着した人たちがボランティアを
募っていた.街でティッシュやビラを配ってる人にはいつもスルー
される私がやたらと絡まれた.断る為の思いつく理由もなかった.
初めのうちは「今忙しいから」とか「めんどうだから」だとか
理由でもないような理由を並べていたのがついに「いやだからいやだ」
という理由を述べつつ、あれはもう学内警備に捕まえられればいいのに、
二人がかりでほとんど強引に捕まえられ、一人はボランティアの内容の
説明にとりかかり、一人はなぜお前は若くて時間もあるのにボランティア
に積極的ではないのか、今福島では云々と説教が始まってしまった.

もしも何か、よく神様に例えられますが、神様みたいな、あ、
もちろん特定の、実在の宗教が言う具体的な神様ではないので
そういうのがお嫌いであれば別のものに置き換えて構いません.
何か意志のあるSというモノが居て、Sが数学を用いてこの世界の
動き方を決めているのだとすれば、真の物理学のというものがある
かもしれません.しかし物理学が工学への貢献というものを
考えているならば、今の世界を説明できる理論さえ用意できればいい.
その意味でニュートン力学だって相対性理論だって正しい.
しかし今の物理学者は、そんなことは考えていないでしょう.
理学部でも工学部でも学生もそんなことは考えていないでしょう.
だってそうしたら物理学は単に産業を支える為のサービス業でしか
ありません.たぶん彼らは物理学の為の物理学を研究しているんでしょうね.
だからきっと理系の人間はボランティアに行く人は少ない.
ボランティアというのは時間を持て余した人間がやりたがるのです.
時間を持て余してるってのは別に一日中ヒマをしている人という
意味ではありません.例えばサラリーマンなんかがそうです.
もう何十年も勤めている中年サラリーマンに多い.もちろん彼らは
一日中仕事をしていてヒマをしているわけではありませんが、
昼食をとりながら考えるんです.自分の人生の意義について.
そういう考えを毎日毎日巡らせて十年も経って、ボランティアが
したいと思うのです.しかし同時にこうも思うでしょうね、
ああ、自分がもう少し若ければ、と.ボランティアにも色々ありますが
若くて体力のある人間を集っているところは数多ですからね.
だから若い内にボランティアに参加している学生は偉いですね.
でもそういう若い人達がさっき言った中年サラリーマンと同じ考え
なのかと言えば当然違うでしょうね.どちらも考える時間が多く
あったことには違いがありませんが、そりゃ中年に較べれば
屁でもないでしょう.だから偽善だと言うのです.

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