intime o'

彼は農場なるものを定義し、描写し、説明し、陳述し、叙述しようと弁舌をふるった (「O・ヘンリー短編集(三)」より)
# もう後には退けない?退いてもいいんじゃない? 2012/07/12(Thu.)
 彼女は高校で数学の教師をしており、そうなるとどうしても早寝早起きの
生活になる.もっとも彼女ならばどんな仕事でもそんな生活をするだろう.
一方で彼女は完全に夜型の生活をしており、夕方の六時に寝て夜中の
十二時前に起きるから決して寝てばっかりの一日を過ごしてるわけではない.
職業を聞かれたら彼女は決まって、はぁ、物書きをしております、と答え
今はある雑誌にエッセイを連載しているという.
彼女はそれを一度だけ読んだことがあるが、公園咲いていた花について
何が咲いていた、花言葉は何なのでこんな逸話があるとウンチクと書いて
いて決して面白いとは思えなかった.それよりも彼女の生活ぶりからはまるで
想像もできない文章だったので驚いた.だって彼女は夜中に起きては
テレビの前にへばりつき、後は大体PCの前に居て、そのエッセイを書いて
いるのだと思ったらどこかの掲示板で遊んでいた.食事をとって趣味の
ゲームをしていると四時か五時.水曜日だけは五時半に彼女が高校から
帰ってくるが他の平日は六時を過ぎるので彼女はお風呂に入って寝る準備
をしてしまう.彼女らがちゃんと一緒に居られるのは土日と、平日の
彼女が目覚めてから家を出るまでの朝六時から七時.その間彼女たちは
たくさんお喋りをする.

その日は水曜日で、夕方の五時には学校を出られる.彼女は職員日誌を
書き上げるとさっさと帰宅する.雨がぱらぱらと降ってき、彼女は
朝、天気予報を見て持って出た赤い傘を差した.
部屋に入ると電気はついていないのにベッドの上に人影があった.彼女
であった.膝を抱えて震えていた.慌てて近寄るとびっしょり布団が
びっしょり濡れているのに気づいた.彼女が着ている服も、髪も、コレ以上
ない程に濡れていた.何があったのか聞いても言葉にならない.彼女はひどく
怒った口調でどうしてお風呂に入らないのと聞くと、なんとか口にした
ことには、お風呂の沸かし方が分からない、と.一体どうしてしまったのか
彼女にはまるで理解できなかった.二人の生活が破綻してしまったのは
この時からだ.

私が驚いたのは、walkmanがこんな大雨では何とも無いくらいの生活防水
を備えていることに気附いたからだ.

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