日記「芦」

あなたは褒めることにもエネルギーを使ってください。 -『短編小説より愛をこめて(阿刀田高・著)』より 相対論など・抄 - 数学/数理物理 2010/09/11(Sat.)書初 - 2010/09/15(Wed.)書終
(2010/)4/8
@ニュートン力学。
xyz座標は慣性系で、全ての人に共通な時刻。

光は波動である。波ならばそれを伝える媒質(仮にエーテル)が在ると考え
られる。媒質が一方向に動いてるならば、各方向に進む光の速度に差が出
るだろう。それを確かめようとしたのが次の「Michelson-Morleyの実験」
である。

「Michelson-Morley(マイケルソン・モーリー)の実験」
光の波についてドップラー効果を利用する。

1) x軸空間。x=0とx=Lに鏡を置き、光を1往復させる。光速はcだとする。
但しx軸上のエーテルが+x方向に一定速度vで運動している。
この間に掛かる時間を求める。
T1 = L/(c+v) + L/(c-v)

2) xy空間。y=0とy=Lに鏡を置き、y軸上に光を1往復させる。
そしてエーテルは+x方向に、一定速度vで運動している。
この間に掛かる時間は、"y軸上を走る光"を考えているのだから
T2 = 2L/√(c2-v2)

T1/T2 = (1-v2/c2)-1/2
  = 1+(1/2)v2/c2+ …
  > 1
となるのだが、実験ではこの値が1であった。
つまり光速は不変?

@アインシュタイン
エーテルは存在しない。光速は不変でどの観測者から見ても普遍。
相対性原理「物理法則はどの様な観測者に対しても同じ形で成り立つ。」
//寧ろ同じ形=同じ式で表せるような式の形式を探すことが本質だと思うよ。
さて基底とかの話。 一応線形代数の基本の復習でもする。 ベクトル空間とは、まっすぐな図形で原点があるもの。 まっすぐとは重ね合わせの原理が成るもの。 厳密な定義としては 「集合Vがベクトル空間である、とは Vの元についての和とスカラー倍が定義されていて(Vの元にあって)、 さらに次が成り立つこと。 (x+y)+z=x+(y+z), x+y=y+x, c(x+y)=cx+cy x+o=x, 任意のxに対してx+y=oとなるyが存在する」 基底とは 次のようなn個のベクトル{a1, a2,,, an}のこと 点(x1,x2,,,an)とその写像(x1・a1+ … +xn・an)が 1対1に定まること。 4/15 運動とは写像である。 つまり、時刻t∈R→点x∈R3、という。 そして、速度:t→v、加速度:t→a、である。 ニュートン力学の「F=ma」は任意の1つの慣性系の中で成立するもの。 //例えば、雲の運動を地面から見るのと電車の中で見るのでは式が違う。 運動はR4(t,x)のグラフで表せる。(xはx∈R3という三次元の点) そこで時空、或いは四次元ベクトル空間こと、Mを作る。 Mの点を事象(event)といい、M内の曲線を世界線(world line)という。 世界線は大抵γで表される。 // Mとかγは観測者、つまり基底を抜きにして存在できる。 Galilei変換 - これはニュートン力学 M(t,x)空間について 観測者Aの基底をa=(a1, a2) 観測者Bの基底をb=(b1, b2) とする。 ある事象eをA及びBから見る。 Aにとっては(x1:時間, x2:場所)にあったとすると e = a1x1 + a2x2 Bにとっては(y1, y2)にあったとすると e = a1y1 + a2y2 と書ける。 ここで次の二つの原理を導入してみる。これが正しいかはともかく、だ。 ・全ての観測者にとって、事象が同時刻であったかどうかは共通 ・全ての観測者にとって、tの間隔、xの間隔は共通 (b1, b2)をa1とa2で表すことを考えると b1 = a1+α・a2 b2 = a2 ⇔ a1 = b1-αb2 a2 = b2 Aから見てBの動く速度を考えるとそれがαそのものである。 速度をu=αとすると (b1,b2)=(a1,a2)Gu  ; Gu = [(1,0); (u,1)] また代数的にも意味的にも (a[1],a[2])=(b[1],b[2])G-u  ; G-u=[(1,0); (-u,1)] xa = yb = xGu・b 故にa=Gu・b Guという行列はガリレイ変換と呼ばれ 2つの基底(a,b)を変換し、或いは座標(x,y)を変換するもの。 Lorentz変換 光速一定の原理。これは観測者に依らない。 def C+={v∈M | 点Oから出た光が到達する点}…未来的光円錐(light corn)   ={(x1,x2)|abs(x1)≦cx2} --- 便宜上、というよりも慣習的にc=1となる単位系を用いる。 時間を[光]、キョリを[光年]とすればよいし 時間の次元は距離の次元と同じであり速度は無次元である、となかなか 斬新な発想をしてもよい。 そして係数としてのcは書かない。c=1だから。 --- light cornの境界線の上のをl1、下のをl2とする。 l1=R(a1+a2) l2=R(a1-a2)
R(v)とは方向成分がベクトルvで原点を通る直線を表す
また これは観測者によらないので l1=R(b1+b2) l2=R(b1-b2) が同時に成り立つ。この為には 実数λ、μを用いて (b1+b2)=λ(a1+a2) (b1-b2)=μ(a1-a2) ∴(b1,b2)=(a1,a2)Pv ; Pv = [( (λ+μ)/2,(λ-μ)/2); ( (λ-μ)/2,(λ+μ)/2)] Aから見てBがvで動いていると考えると v = {(λ-μ)/2}/{(λ+μ)/2} = (λ-μ)/(λ+μ) 改めて b = a・Pv 鏡F:(t,x)→(t,-x)を導入する。 大事なのは鏡の中ではvが-vになるということ。 つまりPvはP-vになるということ。 Pv・F = F・P-v = F・(Pv)-1 ∴det(Pv・F) = det(F・(Pv)-1) ∴det(Pv) = det(Pv)-1 ∴det(Pv) = ±1 v=0の時、 det(Pv=E)=1より、detPv=1 detPv = (λ+μ)/22-(λ-μ)/22 = 1 ∴ λ=√{ (v+1)/(v-1) } μ=√{ (v-1)/(v+1) } 4/22 #まとめ アインシュタインの議論 1) 変換は線形。 2) 「Aから見てBはvで動く。⇔Bから見てAは-vで動く」  ⇔「P-v = Pv-1」 3) 空間反転普遍性  P: A→B  F: A←→A'、B←→B'  P: A'→B' 4)未来的光円錐  C+ = {x1a1+x2+a2∈M | -x2≦x1≦x2}  ∴Pv=1/√(1-v2)・{(1,v),(v,1)}
cを明記すると Pv=1/√(1-v2/c2)・{(1,v/c2),(v,1)}
c→∞でGalilei変換になる。即ちニュートン力学の話になる。 物理的帰結 ・同時刻の相対性 A(a1,a2)にとって2つの事象 O = 0・a1+0・a2、Q = 0・a1+3・a2 は同時刻である。それはa1の係数が等しいから。 Bにとっては O = 0・b1+0・b2、Q = -1・b1+3・b2 くらいになる。QはOよりも過去。 ・時計の遅れ。 b1=(1/√(1-v2))・a1+(v/√(1-v2))・a2 1/√(1-v2)>1であるからBの時間はAの時間より大きい。 これはa[1]をBで表してもそうで 「観測者にとって常に相手の時刻が遅い。」 //b[1]はBにとっての1秒を表すsignal. rapidity λ・μ=1であった。 (λ,μ)=(exp(u), exp(-u))となるuは一意的に決まる。 とすると Pv={(cosh(u),sinh(u)), (sinh(u),cosh(u))} v=sinh(u)/cosh(u)=tanh(u) x1=cosh(u)>0 x2=sinh(u) よってb1=cosh(u)・a1+sinh(u)・a2 でこれは双曲線上にある。 速度の合成 A~v[1]~>B~v[2]~>C の時 A~v[3]~>C 。 原理に忠実に行くならばローレンツ変換を二回すればよいだけ。 つまり Pv3=Pv2・Pv1 ∴v3 = (v1+v2)/(1+v1・v2) いや寧ろ先のrapidityを用いてみる。 v~uに対応してPv~Huとする。 Hu3=Hu2・Hu1 ∴u[3] = u[1]+u[2] 速度はv=tanh(u)であった。 u→∞でv→1-0(=c)です。//光の速度は超えられない。ましてや時間が逆行したりしないよ Minkowski計量 QM(x)=x12-x22とする。 y=Hu・x  ={(cosh・x1-sinh・x2),(-sinh・x1+cosh・x2)} cosh2-sinh2=1なので QM(y)=QM(x) である。つまり計量QMは観測者(基底)に依らない。 QM(x)を||x||Mと書いたりする。 初めに書いたように「観測者に依らない形式」こそが相対論の指標である。 --- 第2章 --- 5/6変分原理 (variational principle) 問1、二点A,Bを結ぶ曲線で最短なものは何か。 問2、Felmat原理よりSnellの法則を導け。 変分法とは、曲線やグラフ、経路、図形などを、長さや指標、時間などに よって数値化する方法である。 問1に関連して例を言うと A,Bを端点とする曲線rの集合Ωについて L:Ω→Rという写像Lのこと。 問2の解。 Felmat原理とは光は始点から終点までに経る時間が最短となるような経路 を辿る、というもの。Snellの法則は屈折率n1とn2の物質との境を光が通る 時の屈折についてその屈折角の法則。 n1中の始点(x0,y0) n1→n2の境点(x1,y1) n2中の終点(x2,y2) 始点~終点に掛かる時間は T=n1・ρ((x0,y0), (x1,y1))+n2・ρ((x1,y1), (x2,y2)) これをx1の関数とすれば dT/dx1=0 ⇔ n1・(x1-x0)/ρ=n2・(x2-x1)/ρ ∴ n1・sin(θ1) = n2・sin(θ2) またn1=n2の時、それは均一物質内での光直進の原理である。 問1の解。 A(x0, y0)、B(x1, y1)を通るy=f(x)で長さが最小なものを探す。 y=f(x);A~Bの長さは L[f] = ∫[x0, x1]√(1+f'2)dx --- さて、方向微分の話。 f(x)の最小がx=aの時、 xの世界でaを通る任意の直線。その直線上の点xでf(x)を切断する。//別にただfを定義するxをその直線に限定すればいいだけ その切断面でのfの最小はやはりx=aになるはず。 直線はx=a+tvで表せる。vが直線の方向ベクトル。 tはパラメータである。 切断面はf(x=a+tv)=g(t) fの最小を求めるとはg(t)の最小を求めること。 fのv方向微分: ∇vf(a) = dg/dt(t=0) さらに任意のvについて∇vf(a)=0であることを 「fがaで停留する」だとか「aがfの臨界点」とか言う。 またこれはfのグラフのx=aでの接面が(xの世界に対して)水平であることを表す。 --- Lがf=foで最小となることを期待する。 ft=fo+thとする。 tがパラメータでhが方向関数(h=h(x) つまりfをfoからhだけずらす。 y=f(x)がA,Bを通ることから、fo(x0)=f(x0)=A, fo(x1)=f(x1)=B つまりh(x0)=h(x1)=0でなければいけない。これをhの条件としよう。 L[ft] = ∫[x0,x1]√{1+(dft/dx)2}dx   = ∫√{1+(fo'+t・dh/dx)2}dx   = ∫√{1+fo'2+2t(dfo/dx)(dh/dx)+o(t3)}dx   = ∫√{1+fo'2}dx + ∫t・fo'・(dh/dx)/√(1+fo'2)・dx + ∫o・dx (テイラー1次近似) ∴dL/dt(t=0) = (d/dt)∫t・fo'・(dh/dx)/√(1+fo'2)・dx    = ∫fo'・(dh/dx)/√(1+fo'2)・dx    = ∇hL[fo] Lがfoで最小となるには、∀h:∇hL[fo]=0. hL[fo]=0から [fo'・h/√(1+fo'2)]x0x1 - ∫h・{fo'/√(1+fo'2)}'dx = 0 h(x0)=h(x1)=0だから左辺の第1項は0. ∴∫h・{fo'/√(1+fo'2)}'dx = 0 これが全てのhで成り立つんだから {fo'/√(1+fo'2)}' = 0 (…後述するオイラー・ラグランジュの式) ∴fo'/√(1+fo'2)=c(定数) ⇔(1/c2-1)fo'2=1 ∴fo'=D(定数 ∴fo=Dx+E これは直線である。 A,Bを通るのは前提だったけ。 よって問1の解はA,Bを通る直線、が答え。 5/13 変分原理からNewton力学を眺める 保存力の場中の運動。 時刻t→位置x→位置エネルギU 初期値(x0, v0)の下で微分方程式の解は一意的に定まる。 例)U=(1/2)kx2のバネ → ma=-kx → 一般解:x=Asin(ωt)+Bcos(ωt) ・・・t→xが分かればt→vが定められる 相空間(phase space)とは位置×速度、即ち(x,v)を座標とする空間。 //つまり一般にvがxに縛られてる変数だなんて考えない。 幾つかの重要な関数は相空間を定義域としている。 Hamiltonian:H=(1/2)mv2+U(x) Lagragian : L=(1/2)mv2-U(x) ニュートンの運動方程式にx=x(t)が従うとする。 「ma=F」 まず運動エネルギについてK=(1/2)mv2 ∴dK/dt=mva=Fv またポテンシャルU=-∫Fdx ∴dU/dt=-(d/dt)∫F・dx/dt・dt=-Fv よしdH/dt=dK/dt+dU/dt=Fv-Fv=0 ∴H=(一定) ELeq. Lagragian:(x,v)→L(x,v) Ω(x0, x1) = {x:時間[t0,t1]→位置x} S[x] = ∫[t0,t1]L(x,v)dt //xについての作用汎関数 この時、「x=*でSが停留する」 ⇔「*がEuler-Lagrange方程式(EL式) (∂L/∂x)|* - (d/dt)(∂L/∂v|*) = 0 を満たす」 このEL式の証明。 Sが*で停留する、を方向微分で表現するだけである。 xで停留するとしてη(t0)=η(t1)=0を用いて xs=x+sηとする。(xをη方向に微分) x→vに対してη→ζとしよう。 S[xs] = ∫L(x+sη,v+sζ)dt   = ∫{L(x,v)+sη・∂L/∂x(x,v)+sζ・∂L/∂v(x,v)+o}dt   = S[x] + s∫η∂L/∂x(x,v)・dt + s∫ζ∂L/∂v(x,v)・dt + o ∴∇ηS = ∫η∂L/∂x(x,v)・dt + ∫ζ∂L/∂v(x,v)・dt    = ∫η∂L/∂x(x,v)・dt + [η∂L/∂v(x,v)]t0t1 - ∫η(d/dt)∂L/∂v(x,v)dt    = ∫η∂L/∂x(x,v)・dt - ∫η(d/dt)∂L/∂v(x,v)dt 任意のηで「∇ηS = 0」が成り立つので ∂L/∂x(x,v)-(d/dt)∂L/∂v(x,v) = 0 証明終わった。 L(x,v) = (1/2)mv2-U(x) の時。 S = ∫L・dtの停留するところ。 ∂L/∂x(x,v)-(d/dt)∂L/∂v(x,v) = 0 ⇔-U'(x)-(d/dt)(mv)=0 ⇔-U' = (mv)' ⇔F=ma・・・ニューロンの運動方程式である。
もう何度か用いたが 内積:(f・g)=∫f(t)g(t)dtとし ∀g: (f・g)=0ならばf(t)≡0である
ELeqを満たすxに対して H = -L+v・∂L/∂v は保存料である。 Hは力学的エネルギ或いはハミルトニアンである。 証明。 H=-L(x,v)+v∂L/∂vの両辺をtで微分してみる dH/dt = -∂L/∂x・dx/dt-∂L/∂v・dv/dt+dv/dt・∂L/∂v+v(d/dt)(∂L/∂v)   = -∂L/∂x・v+v・(d/dt)(∂L/dv)   = v*(ELeq.)=0 ∴Hは定数 ●練習。懸垂線の形を求めよ。 懸垂線とは、2つの端点が固定された重力によって弛んだ紐であり、 右軸にt、縦軸にx。dx/dt=v。-x方向に重力としたら 紐全体の位置エネルギS=∫x√(1+v2)dtが最小を与えるx=x(t)。 ●最速降下線 ボールが(t0, x0)から(t1, x1)までを坂に沿って重力を動力源に降下する。 摩擦はどうでもよくて経る時間が最短である坂。 変分原理は座標系に依らない。 例えば「中心力場」を考える。 力は原点向きに、原点までのキョリのみで定まる。 ポテンシャルU(√(x2+y2)) = U(r)
ニュートン力学を用いて max = -∂U/∂x ⇔ mar = -∂U/∂r は余裕で成り立たない。 しかしEL式では、、、
L(x,y,vx,vy)=(1/2)m(vx2+vy2) = U(√x2+y2) ⇔L(r,θ,vr,vθ)=(1/2)m(vr2+vθ2) = U(r) ; vθ=r・dθ/dt これについて ∂L/∂r - (d/dt)∂L/∂vr = 0 ∂L/∂θ - (d/dt)∂L/∂vθ = 0 が成り立つ。 ⇔ mrd2θ/dt2-∂U/∂r-md2/dt2=0 (d/dt)(mr2dθ/dt)=0 二式目よりmr2dθ/dt=M(Const.)と置ける。 角運動量の保存性だ。 更に一式目に適当にぶち込めばH=(1/2)mvr2+Uが定数で あることも示せる。 6/10 曲線とその長さ 曲線とは、γ:t∈[a,b]→γ(t)∈RN、という写像であり γの像をSupp(γ)と表し「γの台」と言う。」 Supp(γ)={x∈RN | γ(t)=xとなるtが[a,b]に存在する。} //Supportの略 def 二つの曲線、φ:[a,b]→RNと、ψ:[c,d]→RNが同値であることを φ~ψと表し、同値であるとは、 f:[a,b]→[c,d] ・f(a)=c, f(b)=d ・df/dt>0(狭義の単調増加) ・φ(t)=ψ(f(t)) i.o.∀t∈[a,b] となるfが存在することである。 df/dt>0よりf-1が存在できる。 φ~ψ⇒Supp(φ)=Supp(ψ) //一般に逆は成り立たない 同値なφとψは目盛りの振り方が違うだけだ。 例)次の三つの曲線は互いに同値 φ1: θ∈[0,π]→{(cosθ),(sinθ)} φ2: t∈[-1,1]→{(-t),(√(1-t2))} φ3: s∈[0,∞]→{( (1-s2)/(1+s2) ),( 2s/(1+s2) )} 註) φ:[a,b]→RNに対して、-φ:[-b,-a]→RNとする。 これはφの目盛りを逆行させた曲線。(-φ)(t)=φ(-t). よってd(-φ)/dt=-dφ/dt<0でありφと-φは一般には同値でないが Suppφ=Supp(-φ) 曲線の長さ φ:[a,b]→RN、の[a,b]を細分して 「a=t0 < t1 < … < tN=b」= △とする。 折線φ=φ(t0)φ(t1)・・・φ(tN)。これの長さは L(φ) = Σ||φ(ti-1)-φ(ti)|| …普通にユークリッド的な長さ L(φ) = sup L(φ) L(φ) = sup Σ||{φ(ti-1)-φ(ti)}/{ti-1ti}||・(ti-1-ti)  ─(△を細かく)→ ∫||dφ/dt||dt = L(φ) このように定めてみる。 ・φ~ψ⇒L(φ)=L(ψ) L(ψ) = ∫||dψ/ds||ds   = ∫√{Σ(dψi/ds)2}・ds //ψiってのはφの基底。xyzみたいな //f:φ→ψというfが存在してs=f(t)   = ∫√{Σ(dψi/ds・(df/dt) )2}・dt   = ∫√{Σ(dψi(f)/dt)2}・dt   = ∫√{Σ(dφi/dt)2}・dt   = L(φ) 標準曲線 φ:[a,b]→R、[a',b']⊂[a,b]、φ':[a',b']→R、に就いて φ'はφの部分曲線で、L(φ)≧L(φ'). 標準曲線とは弧長をパラメータとする曲線で φ:[0,l]→R L(φ([0,s]))=s (0≦s≦l) dφ/ds=1 6/10 以上の議論をMinkowski空間で行う。 二次形式:ベクトルの長さ、ノルムをいかにして決めるか。 x={(x1),(x2)}に対して||x||2 = x12-x22 def 対称双線形形式とは写像B:(u,v)∈(U,V)→B(u,v)∈Rのことであり 内積の一般化。但しB(u,v)=B(v,u)、B(u1+u2,v)=B(u1,v)+B(u2,v)で なければいけない。 Vの基底をe1~enに固定する。 u=Σxiei, v=Σyiei B(u,v) = B(Σxiei, Σyiei)   = Σ[i,j] xiB(ei,ej)yj Minkowski空間では B(u,v) = x1y1-x2y2 //B(u,u)=||u||M def 世界線 φ:[a,b]→M(Minkowski空間) dφ/dt < C+ 世界戦の長さL(φ)=∫||dφ/dt||dtが経過時間を意味する。 Prop.双子のパラドックス A→Bまで行くのに直線で行くのと、途中Cを介して遠回りにA→C→Bと 行く二つのルートを考える。後者は一般の遠回りルートを折れ線で近似 したものを考えればいい。 ヴェクトル「A→C」をu、ヴェクトル「C→B」をvとする A→Bはu+v B(u,v)2 - ||u||M2||v||M2   = (u1v1-u2v2)2 - (u12-u22)(v12-v22)   = (u1v2-u2v1)2 > 0 ∴||u+v||M ≧ ||u||M+||v||M   …Mにおける三角不等式 def 世界線φ:[a,b]→Mに対してこれと同値なφ:[0,l]→Mを作る。 固有時τとはτ∈φ.世界線に沿って動く時計の目盛りである。 質量mの粒子の世界線φ:[a,b]→M これについての作用汎関数 S[φ]=m∫||dφ/dt||=m・L[φ] //Lは曲線の長さ 運動方程式はEL式を満たす、つまりSについて停留するから dS=0 ∴||dφ/dt||が定数。 よって運動方程式の解は直線運動。 古典的な作用なら S[φ]=∫L(x,v)dt //L=(1/2)mv2 S=m∫(1/2)v2dt dS=0 ⇔(ELeq.)ma=0…解は直線 運動法則はmに依らない。 衝突~古典的作用 M(t,x)の空間の点A(0,xA),点B(0,xB),点X(t,xX), 点C(T,xC) 質量mAの粒子がAからXに動き、質量mBの粒子がBからXに動く。 つまりXで衝突して、後一緒になって質量mCとしてXからCに動く。 この現象を変分原理で説明したい。 このグラフに対して値が決まる作用汎関数を考える。 S[φA]=(mA/2)・∫||dφA/dt||2dt S[φB]=(mB/2)・∫||dφB/dt||2dt S[φC]=(mC/2)・∫||dφC/dt||2dt S[Γ]=S[φA]+S[φB]+S[φC] φAとはmAがたどる世界線、φB,Cについても同様。 ΓとはφA~C全体 Xが変数。 運動方程式を満たす時S(Γ)は停留する。 「あらゆるXについてS(Γ)が最小」 ⇔「あらゆるXについて「あるXについて:φA~Cそれぞれの最小」の合計(Γ)の最小」 あるXについてφA~Cが最小となるのは世界線が直線となる時で、 S[φd] = (m/2)∫{(x1-x0)/(t1-t0)}2dt   = (m/2)(x1-x0)2/(t1-t0) 右肩のdは直線であることを示す。 minΓS[Γ]=minX [(mA/2)(xA-x)2/t+(mB/2)(xB-x)2/t+(mC/2)(xC-x)2/(T-t)] 右辺の[(mA/2)(xA-x)2/t+(mB/2)(xB-x)2/t+(mC/2)(xC-x)2/(T-t)]=Zと置く。
def S[φd]の始点(x0,t0),終点(x1,t1)を引数としたものを Sd(x0,t0:x1,t1)と表し、"古典的作用"と呼ぶ。
∂S/∂x1 = m(x1-x0)/(t1-t0) = p:運動量 -∂S/∂t1 = (m/2){(x1-x0)/(t1-t0)}2 = E:エネルギ そこで運動量とエネルギを次のように定義しなおす。 p=∂Sd/∂x1 E=-∂Sd/∂t1 ∴dS=p・dx1-E・dt1 dS[Γ]=0の時 ∂Z/∂x1=0 && ∂Z/∂t1=0 ⇔ ∂SAd/∂x+∂SBd/∂x-∂SCd/∂x = 0 ∂SAd/∂t+∂SBd/∂t-∂SCd/∂t = 0 ⇔(def) pA+pB-pC = 0 EA+EB-EC = 0 ちなみに mC > mA+mB となる。 以上古典であった。 四元速度と普通の速度 φ:t∈[a,b]→φ(t)∈M このパラメータtに物理的意味はない。 ここではφが標準曲線であったとする。 ||dφ/dt||=1 これを四元速度という。 ∴||m・dφ/dt||=m これを四元運動量という。 ||x||M = x02-x01-x22-x32なら p02-p12-p22-p32 = p2 = m2 p = t(p0, p1, p2, p3)  = t(-E,p); E=p0, p=t(p1, p2, p3) ∴E2-p2=m2 E = √(m2+p2)  ≒m + p2/(2m) mは静止エネルギ p2/(2m)は運動エネルギ 普通の速度 vi = dxi/dx0 一方、四元速度 V=dφ/dt=t(1,v) /√(1-v2) //||V||=1 四元運動量 p=mV=(m/√(1-v2)) t(1,v) ∴ E=m/√(1-v2) = m+(1/2)mv2+… p=mv/√(1-v2) = mv+(1/2)mv3+… 6/24 等加速度運動 標準曲線φ:s∈[0,l]→R2 ||dφ/ds||=1 Prop. d2φ/ds2はdφ/dsと直交する。 dφ/dsを固有速度ベクトル d2φ/ds2を固有加速度ベクトル とする。 Propを証明しておくと ||dφ/ds||=1より (dφ/ds)・(dφ/ds)=1 両辺をsで微分すれば 2(dφ/ds)・(d2φ/ds2)=0 これはユークリド的d2φ/ds2とdφ/dsとの内積=0即ち直交を表す。 同標構(moving frame) φ(s)において正規直行基底(e1,e2)を次のように考える。 e1=α・(dφ/ds) …φ進行方向の単位ベクトル e2=R(π/2)・e1 …e1を反時計回りに90°回転 まずユークリッド空間では e1・e1=1 をsで微分して、2de1/ds・e1=0 ∴de1/ds⊥e1またe1⊥e2より、de1/ds=κe2と表せる。 同様にde2/ds=μe1とかける。 e1・e2=0 をsで微分して、 de1/ds・e2+e1・de2/ds=0 さっきのを用いて κe22+μe12=0 ∴μ=-κ よって次の「Frenet-Serretの公式」 (d/ds) t(e1,e2) = {(0, κ), (-κ, 0)}・ t(e1,e2) κを曲率という。 Cor.標準曲線は曲率κから合同変換の自由度(平行移動と回転)を除いて決まる。 等曲率は円運動を表す。 const.κで (d/ds)t(e1,e2)={(0,κ),(-κ,0)}t(e1,e2) これを(d/ds)X=AXと表す。X=X(s) ∴X=exp(sA)・Xo exp(s・{(0,κ),(-κ,0)})={(cos(κs),sin(κs)), (-sin(κs),cos(κs))}らしい//exp(A)=ΣAk/k! ∴(e1,e2)=(cos(κs)e10+sin(κs)e20, -sin(κs)e10+cos(κs)e20) これを代入すると 確かにe12+e22=Const. さらに dφ/ds=e1 ・・・標準曲線の速度ベクトル であったので、これを両辺dsで積分して φ=C+(1/κ)・[sin(κs)e10-cos(κs)e20] Cを中心とする半径(1/κ)の円である。 #ミンコスキー空間での動標構 世界線φに同値な標準曲線φ^ それについて正規直行基底{e1,e2}をさっきと同様に作る。 ここで次の内積の式が成る。 (e1,e1)M=1 (e2,e2)M=-1 (e1,e2)M=0 ここではFrenet-Serretの公式が次になる (d/dτ) t(e1,e2) = {(0,κ), (κ,0)} t(e1,e2) 四元速度dφ/dτ=e1(||V||=1で単位ベクトルだから) 四元加速度d2φ/dτ=A ||A||=||de1/dτ||=||κe2||=κ //||e2||=√(0-e22)=√(0-(-1))=1 κは加速度の大きさを表す。 等加速度運動を解く。 const.κで (d/dτ)X=AX ∴X=exp(τA)Xo   ={(cosh(κτ), sin(κτ)), (sinh(κτ), cos(κτ))}・Xo φ=∫e1dτ = (1/κ)t(sinh(κτ), cosh(κτ)) = t(x0,x1) ∴x02-x12-2…双曲線 ちなみにこれを2次までテイラー展開して x1=κ-1+(1/2)κx02…放物線(これはx0~0の近似) //とりあえず終わり

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