日記「芦」

全部、作家は、不幸である。(太宰治著「緒方氏を殺した者」より) 日記 2011/5/17(Tue.)
今すごく楽しいんです。
久々に家に帰りたくない気分になって、家と行っても学校が管理する
学生宿舎で一人暮らしをしているのですが、帰るのがいやで、もう昼も
長くなってきたとは言え、五月の夕方八時すぎの暗い学校に残って、煙
草を吹かしながら散歩していました。
何を考えていたかと言えば、プログラミングのこと、自分が今手を付け
ている小説のこと。
 建物の壁を迷路にみたてて最短ルートを模索するうまい方法を思いつ
いた。あとで書いてみよう。今書いている小説は、出来上がったら賞に
応募してみようと思っている。
 電車で麻雀放浪記を読みつつ、自分が書いている小説の主人公を考え
ていた。自分が、こんなことをしたら面白いだろうと前から思っていた
ことを、その主人公は実際に挑戦するのだ。突拍子もない男で、しかし
臆病者である。それはどんな人物なのだろう。
 自転車を漕いでいて、その男の性格が見えた。これを念頭にして、
もう一度清書しよう。きっといいものが出来上がると確信しており
ます。しかし、その男とは自分自身の一面です。恐ろしいことと、
思います。でも、心はとても晴れやかです。
寮に戻ると隣の部屋が小火騒ぎを起こしていました。暖かい夜でした。

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