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その代償として無限に空想をすることを許された(斎藤茂太著「精神科の待合室」より) 空想位相空間ψ 2011/08/27(Sat.)
 空想科学Xってギャグマンガだけど面白いですよね。
このマンガにおける科学ってのは8割物理学で残りは化学で、ドラえもんの道具
くらいの役割じゃん。それはつまり、科学を前提にしたお話なわけじゃん。
その点、数学は不利だよね。数学を前提にすることはできるけど、たぶん
気づかれにくいような。だから数学ガールみたいに数学自体をストーリーに
組み込まないといけない。それでギャグは難しいよね。

と思ったけど、そんなことはないよ。「NUMB3RS」があった。海外ドラマだけど。
関西に居た時はMBSの深夜放送で「BONES」がやってて、ちょうどその時
東京で「NUMB3RS」が放送されてたんだよね。深夜の海外ドラマ枠、っていう
のがあるらしい。ちなみに今は「コールドケース」やってる。
「NUMB3RS」は確か数学者が主人公でその兄だか弟が警察の人で、数学者が
事件解決に貢献するっていう話なんだけど、私はドラマは見たこと無くて、
そのドラマに使われてた数学のネタをまとめた本が高校の図書館に入ってて
それで読んだ。
数学ガールは数学の美しさだけを語るようなものだけど、もっとこう、実践
してるストーリのが一般受はいいに決まってるよね。私も好きだ。

「数学的にありえない」は数学ってよりラプラスの悪魔がテーマだから
物理学だよね。これも高校の時に読んだっきりだから話忘れたんだけどさ。

ついでにこれも高校の時に読んだんだけど、「フラッターランド」ってあれは
数学的で面白い。「フラッターランド」てのはサブタイトルで題は『2次元より
平らな世界―ヴィッキー・ライン嬢の幾何学世界遍歴』。いかにもファンタジー
なタイトル。中身もファンタジーなお話だよ。でも数学的だよ。
我々は3次元の世界を認識して生活している。視覚の話ね。我々は4次元に生きる
物体を目の前にしてどう認識するだろうか。想像がつかない。では、2次元に
生きる生物達にとって3次元に生きる生物はどう認識されるか。これなら想像
できそうだ。つまり、フラッターランドとは、二次元に生きる生物のお話。
これは『フラットランド』ていう本のスピンオフ的な本で、著者は違うし、
大体『フラットランド』は小説でもなんでもないけれど。こっちは立ち読み
してみただけど、そんなに面白くは無かった

二次元世界に3次元の我々が登場しても、彼らにはその断面しか認識されない
だろう。そして私が少し動いてみせると、彼らには私が大きくなったり
小さくなったりするのが見える。同じように、我々の世界に四次元の生物が
現れたら、宙に突然球状のぶよぶよのピンクのものが現れて、それが大きく
なったり小さくなったりしながら近づいてきた。私を4次元のセカイに連れて
ってくれるという。彼らにとって私らは、いつでもそこにあったが、顕微鏡に
よって初めて観察される小さな生き物であったらしい。存在は前から確認され
たが、高度な文明を持つことを知り、我々の言語を研究したという。英語で
あった。私はつたない英語でコミュニケーションした。

彼らの世界に連れていってくれた。乗り物によって私は1次元補完されまともに
認識されるようになった。いわば大きな乗り物を操るミジンコである。私は
モニタに映る三次元の映像によって世界を認知した。この前行った横浜の
中華街みたいな雑多な町だった。

魔法の世界だった。彼らは魔法を使います。
物を瞬間移動させるし、町に繰り出すのは、偶然人と出逢い、偶然面白い
店を見つけるためであり、誰かに会いたければ瞬間移動をもって家の前に
移動することができた。
「この町は素晴らしいです」
「そうか。気に入ってくれたありがとう」
「ここの人たちは魔法が使えるのですね」
「魔法?それは何だろう」
"magic"という言葉が通じなかった。"funny technology"と言い直した。
「物を瞬間移動させるなんて面白い技術ですね。どういう仕組みなのですか?」
「仕組み?仕組みなんて無いよ」
「でも、お友達の家からあなたの家のポストに直接手紙が来たでしょう?
どうやってるんですか?」
「何を言ってるんだ。ただ俺の家のポストに置くだけじゃないか」
「でも家は離れていますよね」
「そうだな。でもポストは皆くっついている。もちろん一方的にしか開ける
ことはできないがな。他人が俺のポストを勝手に開けられたら困るから」
「ちょっと待って下さいよ。ポストはドアの前にある。家は離れている。
でもポストはくっついてるという。意味が分からない」
「俺は君が何を不思議に思ってるのかが分からないよ」
「一体、魔法とはどんな仕組みなのです。そういう研究はされていないのですか」
「当たり前の現象を研究する人なんて、いるわけないじゃないか。」
「この世界は‥あまり科学が発展していないのですね」
私は実験の協力なんてほっぽいて早くも家に帰りたくなった。 

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